今でも元旦に年賀状をくれるのは、

その友達くらいしかいない。


その友達は、

年賀状を出すタイプではないのだが、

郵便局員と結婚したからくれるだけだ。


その友達とは、

今はもう簡単に会えなくなってしまった。


なぜなら、

わたしが沖縄で入院していた時、

沖縄に来て世話してくれていたのだが、

そこで今の旦那様と恋に落ち結婚、

今はすっかり沖縄の人となったからだ。


その友達との出会いは、

こっちでの夜のバイト先だった。


もう25年前の事であるが、

あの時の事は忘れられない。


バイト先の社長から出勤前に電話が来て、


今日から、

○○○(わたし)みたいな新人が入るから、

教育係、よろしく頼んだぞ!!」


……?


わたしみたいな子って、

美人で高学歴のお嬢様ホステスって事?


なんかプライド高そうで、

感じ悪そうで嫌だなって憂鬱だったけど、

新人教育があるから早めに出勤した。


そしたら、

美人というより可愛くて、


他のホステスから嫌われる

わたしなんかと全然違って

素直でみんなから愛されるタイプで、


わたしにまで懐いてくれて、


そんな子他にいないから親友になった。


だから何で社長があんな事、

わたしみたいだなんて言ったのか?


ずっと疑問が残っていたけど、

性格も二人共ホステスっぽくないから、

そういう事なんだろうと思う事にした。


ある日、

社長にその訳を聞ける機会があって、


「何でわたしみたいって言ったの?

全然似てないから逆にびっくりした。」


「そっくりだろう?!

受け答えが不思議な所が○○○だよ。」


……!


それを早く言ってよ、

わたしは自分で不思議ちゃんとは

全く自覚してないんだからわからんよ。



……ってことは、

友達ももしかして?


それはわからないけど、

元旦の年賀状に対して

失礼ながらLINEで返事した。


「わたしは、去年、

職場でパニックになり、

精神科に行ったら、

自閉症スペクトラムからの

双極性障害という事が判明したよ。


と近況報告して、

初日の出の写真やら

家族の写真やらを添付して送った。



返事はまだ来ないが、

返事に困っているんだろうな真顔


前に誰かの身内が亡くなった時、

なんて言えばいいかわからない、

と困って何も言えなかった人だから。



友達から返事が来たら、


つづく


来なかったら、

おしまい