「私も、もう少し、もう少し」と、言葉を詰まらせながらも恵子は口にした

何が言いたいかはよくわからなかったが、なんとなく自分なりに理解したつもりだ

きっと、彼女は自分の道を再度、見つめなおそうとしているのだろうなと

僕が重い口調で「うん」とだけ言うと

「ねえっ、自分の道ってさどうしたら探せるのかなあ?」と恵子が聞く

「目の前の道を歩いていれば、見たこともない道や、見たこともない風景、見たこともないなにかがあるから、歩いていけばいいんじゃない。けっして初めから最短の道を見つけようとするから道が見えないんじゃないのかなあ?」

「急げば回れか・・」と恵子が口にする

「そう、回り道と思ってもゴールや目標の方に歩けばいいんじゃない、成功や失敗なんて死んだときに答えが出ると思う。今出しているとしたら、それは何だろうな??」

「もう少し考えるよ、そして答えが出たら、また会ってくれる?」と、恵子が言う

「ああ、僕自身ももう少し成長た時に会おう」

 

「ありがとう」と恵子が頭を下げる

「うん」とだけ僕が言う

 

「じゃあ、またな」