もしも旅館のバカボンが稲盛和夫に出会ったら

もしも旅館のバカボンが稲盛和夫に出会ったら

京セラの稲盛和夫さんに出会った私が、気付いた事、学んでいる事をつづっていきたいと思います。

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 マネジメントをひも解いていくと、陳腐化してしまった考え方、今でも十分通用する考え方が明らかになっていきます。学問として残すには100年後でも通用するような、まさにフィロソフィといえるようなものにしたいですね。
 
 今回は、生産性に影響を与える要因からです。マネジメント本文は黒字表記です。

生産性に影響を与える要因

 
顧客の創造という目的を達するには、富を生むべき資源を活用しなければならない。資源を使用する必要がある。これが企業の管理的機能である。この機能の経済的な側面が生産性である。
 
 近年、生産性を論じる人はすくなくない。生産性の向上すなわち資源の活用が成果を左右し成果水準の向上をもたらす事は、もはや常識である。ところが、 我々は生産性についてわずかしか知らない。その測定さえ十分できない。
 
 必要とされているものは、労働だけが唯一の生産要素であるとする生産性のコンセプトではない。成果に結び付くあらゆる活動を含む生産性コンセプトである。更にいうならば、そのようなコンセプトさえ、目に見える直接的なコストとして測定できるものに限定していたのでは正しいとはいえない。つまり、会計学の定義にしたがっていたのでは間違いになる。なぜならば、眼に見えるコストの形はとらなくても、生産性に重大な影響を与える要因がいくつかあるからである。

①知識 ― 知識とは正しく適用した時、もっとも生産的な資源となる。

②時間 ― 時間はもっとも消えやすい資源である。

③製品の組み合わせ(プロダクト・ミックス) ― 製品の組み合わせとは資源の組み合わせでもある。

④プロセスの組み合わせ(プロセス・ミックス) ― 内製するのと外製するのといずれが生産的か。

⑤自らの強み ― それぞれの企業とそのマネジメントに特有の能力を活用し、特有の限界をわきまえることも、生産性を左右する。

⑥組織構造の適切さ、および活動間のバランス ― 組織行動が不適切なために、マネジメントが自ら為すべき事を行わなければ、マネジメントという組織にとって最も稀少な資源が浪費される事になる。トップマネジメントが、マーヶティんングに関心を寄せるべきであるにもかかわらず、技術にし関心を示さなければ、生産性は低下する。その結果こうむる損失は、丹医師缶当たりの生産量の低下による孫汁をはるかに上回る。
(一部省略)

 
この項目に関しては、逐一もっともだと思います。ただ、稲盛さん的には若干ニュアンスが違うようなので紹介します。

 フィロソフィには、「人生・仕事の結果 = 考え方 × 熱意 × 能力」とあります。能力と熱意は、0~100まで。考え方は、―100~100まで。考え方次第で結果は180度変わってくるのだと仰ってます。 
 
 営業マンが営業にも行かず、パソコンにむかい、「自分の個性を認めてくれ」という逸話があります。稲盛さんは、それは個性ではなく我儘だといわれます。それを許す上司は、勇気が足りないと言われます。「小善は大悪に似たり、大善は非常に似たり」という言葉が当にそれにあたります。 
 
 知識はとても大事な資源ですが、「正しい考え方」をしてこそ発揮されるものなんでしょうね。

 京セラでは、「アメーバ経営」と言われる事業部制度。そして、「部門別時間当たり採算制度」を導入して全従業員が時間当たりの付加価値を共有しています。私の会社でも導入したいのですが、部門別取引に関する値決めが大変難しく苦戦しています。しかし、やり遂げなきゃだめですね。

 京セラでは、「独立自尊の精神」を持ち、「私心の無い判断を行う」のように何が正しいのかを常に自問自答し利他の心を基準に決断していくのです。「成功するまで諦めない」、「パーフェクトを目指す」、「能力を未来進行形でとらえる」のように常に背水の陣をひいた行動指針をとっています。

稲盛和夫の「経営の原点12カ条」

①事業の目的意義を明確にする
②具体的な目標をたてる
③強烈な願望を心に抱く
④誰にも負けない努力をする
⑤売上を最大限に、経緯は最小限に
⑥値決めは経営
⑦経営は強い意志で決まる
⑧燃える闘魂
⑨勇気を持って事にあたる
⑩常に創造的な仕事を行う
⑪思いやりの精神で誠実に
⑫常に明るく前向きで、夢と希望を抱いて素直な心で経営をする

経営にはこのような心構えが必要なんでしょうね。厳し~(^_^;)

利益の持つ機能

 利益とは、原因ではなく結果である。マーケティング、イノベーション、生産性向上の結果手にするものである。したがって利益は、それ自体致命的に重要な経済的機能を果たす必要不可欠なものである。

①利益は成果の判断基準である。
②利益は不可実性というリスクに対する保険である。
③利益はより良い労働環境を生むための原資である。
④利益は、医療、国防、教育、オペラ名での社会的なサービスと満足をもたらす原資である。
(以下省略)

 稲盛さんは、利益を企業存続の最低条件と捉えています。その為、様々な言葉で健全敬遠の原則を追求しています。「土俵の真ん中で相撲を取る」、「健全資産の原則を貫く」、「必要な時に必要なだけ購入する」、「倹約をむねとする」などです。
 
 「土俵の真ん中で相撲を取る」とは、月末になってバタバタ資金繰りをするんじゃなくて月初から頑張れということです。
 「健全資産の原則を貫く」とは、不良在庫などを資産としたりせず、粉飾などもしない、償却は有税でもいいから出来るだけ早くする、設備投資は残った利益以内でするなど守れてそうで守れてない事です。
 「必要な時に必要なだけ購入する」、「倹約をむねとする」も共通しますが、「大量買いの銭失い」もダメってことです。
 
 今日の節は、現代でも通ずる事だったので理解しやすかったと思います。次回は、事業は何かです。