いつだって季節は いつの間にやら過ぎてしまう
目を閉じてしまえばその隙に 夏は終わってしまいそうだ
君と出会って一緒に過ごしてもう十年か お互い年を取ったね
そう言って僕は伏し目がちに笑った
彼女は何も答えない
開け放たれた窓から 夏の香りを含んだ風が
ふっと 僕の伸びきった前髪を揺らした
どこからか蝉の声が聴こえる
ねえ 君は覚えているかい あれは僕が19歳の時だったかな
僕は目の前のグラスにわずかに残る
既にぬるくなってしまったミネラルウォーターを一口で飲み干した
彼女は無言を貫く
それでも僕は話し続けた
あれも確か夏だったな とても暑い夏の日の夜だよ
うん そうだ ニュースでも何処かで
今年の最高気温がどうのこうのと言っていた
そんな日の夜に 僕は夢を見たんだ
とても悲しい辛い夢を
はっと目を覚ますと 僕は涙を流していた
自分でも気づいていなかったけれどね
その時君は まだ起きていて 僕を心配そうにみつめていた
そして優しく声をかけてくれたんだ
その瞬間 僕は声をあげて泣いた
何故かさっき見た夢から 哀しみとか別れとか そんな類いのものが
急に現実に降って来るのではないかと不安になって
僕は声をあげて泣いたんだよ
君はあの日の事まだ覚えているかい
部屋を静寂が満たした
今日という日が来る事を
僕は心の何処かで知っていた
彼女は安らかな顔で眠っている
しかしもうその目を開く事は二度と無い
不治の病に冒された彼女は
最後の最後まで懸命に生きようとした
死期が近い事を知りながら それでもなお
彼女はいつも笑っていた
きっとそれは 彼女の強がりだったのだろうけれど
だからこそ僕が泣くわけにはいかなかった
そんな彼女の今際を 僕は目を逸らさずに看取った
真っ白なカーテンが ふわりと揺れる
僕は彼女に最後のキスをした 頬を涙が伝う
静かに横たわる彼女に 僕は震える声で言葉を続けた
僕が君の目の前で泣くのはあの日以来だよ
ねぇ 君は覚えているかい
君は僕と過ごせて幸せだったかい
天国というものがあるのかどうか 僕にはわからないけれど
もしあるのだとしたら そこでも君は僕との思い出を
いつまでも忘れずにいてくれるかい
僕は君との思い出を絶対に忘れないよ
僕が君を愛した事も 君が僕を愛してくれた事も
君は最後に 僕にありがとうと言ったけれど
それは僕の台詞だよ
今までこんな僕と 一緒に過ごしてくれてありがとう
ありがとう
本当にありがとう
アナログテレビちゃん
2011年7月24日正午 アナログテレビちゃん永眠 享年10歳
注) 妄想です
いよいよ今月末は音ノ源アニバーサリー
ゲストに13soulsを迎えエキサイティングな一夜になる事間違いなし
本当に楽しい事はいつでもテレビの外にある!!!
皆さん一緒に盛り上がりましょう!!!
PS
最後まで読んで頂いた方、駄文におつきあいありがとうございます
RIP エイミー

