39年間の舞台人生で、
いや、18歳からオンタイムで舞台に立ってきた現役の頃、
僕は意識的に、ひとつのことを学んでいたことがある。
それは「間の取り方」。
舞台を観るたびに、
僕はどうしても、そこを見てしまう。
観ている人に伝わる、
絶妙な「間」というものが、ほんとうにあって。
それが心地よく、観客に優しい時間。
舞台人の愛だと思うのだ。
(それで次の展開も変わるほど、大切)
今だからこそ、わかる。
その「間」を一言でいうなら、
何もしないこと。
外から見たら、動きはない。
けれど本人の内側では、
その数秒、数十秒は、果てしなく長く、孤独な自分との対話。
内側では、
自分の呼吸だけを大切にしながら、
ただ、そこに在る。
それ以外には何もない。
少しでも沈黙に不安を感じてしまったら、
その「間」は、もう取れない。
今、僕は
そんな懐かしさを感じながら、
日常を過ごしている。
そう考えてみると、年を重ねるというのは、いろいろな時間を
自分の中に持つことなのかもしれない。
自分の人生と、
ちゃんと一緒にいられたらいい。
あの頃、あんなに憧れていたことが、
こんなにも近くにあったなんて。
真剣に生きて来た感覚を
ゆっくり回収してる。
そして、ここに立つと
全体が面白いほど、見えてくるよね。
真実とは、、、
ふっと、
そんなことを思う、冬の昼下がりに、
今しか感じられない表現として、「間について」ここに残してみる。
今日もチクワとガンモが愛おしい。
名取寛人


