姉貴からの着信。
なんや珍しいな、と思い通話ボタンを押す。
ヒ「あいよー、何の用じゃー?」
?「あ、もしもし、ヒロトくん? ボク、Yですー」
ヒ「……………………」
その姉貴とはかけ離れた柔らかい声。
――お義兄さんじゃないスか!?
なんで姉貴のケイタイで!?
ふつーに家族ノリで電話取っちゃったよ!?
恥ずかしッ!?
兄「もしもしー? こんばんはー? こーんばーんはー?」
ヒ「――ああ、すいません、こんばんは? お義兄さんから電話なんて珍しいですね。どうしはったんです今日は?」
と、気を取り直して応対。
するとお義兄さんはものすっごい低姿勢で、
兄「ヒロトくんってパソコン詳しかったやんな?」
ヒ「ええっと、人並みには」
兄「インターネットの接続の仕方が分からなくって……教えてくれへん?」
ヒ「え、あれ? でもお義兄さんこないだ飯を食べに行った時に、YouTubeのコト聞いてはりましたよね?」
フリーソフトを使ってipodにアンなコトやコンなコトを。
インターネットに繋がってンの前提で話してたから、
ネット環境はあるはずなんやけど、、、ああ、そういや。
ヒ「引っ越したんでしたっけ」
二人暮らしをするにあたって、
部屋の広いトコに移ったって話をこないだしてはったわ。
兄「そうねん。けど、どうやって繋いだら良いかさっぱり分からんくって」
ヒ「分かりましたー。じゃあまずLANケーブルをパソコンに差し込みましょーか?」
兄「LANケーブルってナニ? 電話線とは違うん?」
おおう……。これはちょっと腰を据えて取り組まなアカンな。。。
ヒ「青っぽいケーブルのヤツありません? 先っぽが電話線よりデカめの」
兄「……あ、あったあったー。で、これをどこに入れれば良いん?」
ヒ「お義兄さんのパソコンってデスクトップっスか?」
兄「んーん、違う違う。ヒロトくんがお姉さんにプレゼントしたノーパソー」
――ん?
ヒ「姉貴にはそのパソの使い方、一通り教えているはずなんですが……」
兄「うん。なんか忘れたってー」
さいですか。。。
らしいっつーかナンつーか。
興味無いコト、あっさり忘れるンは、
姉弟やなー、まったく。
ヒ「ああ、そうや。お義兄さんトコってADSLです?」
兄「うん。そう」
ヒ「モデムとかって、電気屋の人に来て貰って繋げました?」
兄「モデムってナニ?」
ヒ「ええと、電話線を繋げる口が三つくらいある四角い箱みたいなんありませんか?」
兄「ちょお待ってなー」
そうしてケイタイから音沙汰が無くなって、五分くらいが経ち、
兄「……あ、あるわー」
ヒ「…………」
見つかるまでの時間のかかり方から察するに、
段ボールか何かから取り出したんだろうというコトで、
つまりは接続されて無い状態なんだろーなーと思い、
ヒ「それってどこにも繋がってませんよね?」
と問うと、
兄「うん。今、取り出したから」
と返答が返って来た。
――こりゃあ、長期戦になりそうだぜ。。。
ヒ「じゃあ、ちょっと説明書を見てもらえますか?」
兄「ごめん。それ、どっかいっちゃった……」
――今晩寝れるだろうか。。。?
ADSLの繋げ方とか、もう忘れてもうたよ?
この後、ケイタイ片手に、
ADSLモデムの接続方法を調べ、
続いて、パソコンのインターネット接続方法を順に説明していく。
スタートボタン→コンパネ→ネットワークの状態とタスクの表示→新しい接続またはネットワークのセットアップ→インターネットに接続します→ブロードバンド(PPPoE)(R)→ユーザ名・パスワードを入力。
ここまで行ったところで、
ヒ「ここ入力して接続したら、おそらくは繋がると思いますんで」
兄「あ……ごめん」
ヒ「? どうしはりました?」
兄「プロバイダさんとの契約で、パスワード使えるの明日からやった」
ヒ「……………………………………………………………」
――お義兄さぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんッ!?