『Face The Truth』 / John Norum



恐らく彼の最高傑作として上げる人も多いだろう。

僕も1992年に発売されてからかなり後追いで購入し、何年も愛聴盤にしていた。

このアルバムの最大の売りはやはり、グレン・ヒューズがボーカルとしてほぼ全面的に参加している点だろう。

楽曲もEUROPE時代の如何にも北欧的なハードロックから、よりストレートになった感じ。

捨て曲なども見当たらない、傑作である。



しかし、このアルバム、僕にとっては「名盤まであと一歩」なのである。

一曲目の「Face The Truth」は、オープニングとしては最高の極上ハードロック!

縦ノリのリフで一瞬でテンションが上がる。

ギター・ソロを含め、起承転結が素晴らしく、そこにグレン・ヒューズのボーカルが乗ることで完全無欠の名曲となっている。




他のグレン・ヒューズがメインボーカルを努めた曲を抜粋していくと、

3. 「In Your Eyes」 
 グレン・ヒューズの緩急自由自在のソウルフルなボーカルが素晴らしいバラードの曲。

6. 「Good Man Shining」
 ノリのいいロックンロール。
 この曲のみを抜粋すると特別素晴らしい曲と言うわけではないが、アルバムの流れの中で重要な変化を与えている。

7. 「Time Will Find The Answer」
 個人的にこのアルバムで最も好きな曲。ジョンのメロディアスなイントロから始まる、ミッドテンポの曲。
 ソフトとハードの中間を行くような、絶妙なボイスコントロールを駆使したボーカルをこういうハードロックに乗せて来るグレン・ヒューズのセンスに脱帽。やはり神と呼ばれる所以はこういうところにあるんだなと再確認。
 ジョンのギター・ソロもエモーショナルで素晴らしく、7曲目という位置もあり、このアルバムのハイライトと呼んでもいいと思う。



8. 「Counting On Your Love」
 この曲も「Good Man Shining」同様、曲単位では名曲!とはならないが、素晴らしい曲であり、とてもいい流れを作り出している。

10. 「Still The Night」
 グレンが参加したフェノメナのアルバム収録曲のカバー。
 バラードとミッドテンポの間を行くような、独特な雰囲気を持った名曲。
 フェノメナのバージョンより幾分ハードになり、ボーカルのアレンジも若干変わっており、僕はこちらのバージョンのほうが遥かに好きである。
 カバーでありながら、全く違和感なくアルバムにハマっている所がまた素晴らしい。 

11. 「Distant Voices」
 これはアルバムの最後を飾るのに相応しい名曲。
 勢いのあるリフで始まり、グレンのパワフルなボーカルが縦横無尽に駆け回る、何度聴いてもコウフンを抑えられない曲である。
 ジョンのギター・ソロも火を吹きそうなほど激しく、この曲をさらなる高みに持っていっている。
 ラストのジョンのギター・ソロとグレンのシャウトの掛け合いでフェイドアウトしていく所がこれまたいいんだ(笑) 
 尚、オリジナルの日本盤ではこの曲だけなぜか音量が小さかったが、Rock Candyからのリマスター再発盤はそれが解消されている💯




グレン・ヒューズが参加していない曲は4曲。

2. 「Night Buzz」
 ジョン・ノーラムがメインボーカルの曲。
 若干ヘヴィな曲調でありながらメロディアスでノリがよく、ライブで盛り上がりそうな曲。
 ジョンがグレンと声質が少し似ていて、2曲目に入っていてもそれほど違和感を感じない。

9. 「Endica」
 インスト曲。
 ジョン・ノーラム節全開のヘヴィでメロディアスな素晴らしい曲。
 短い曲だが、この位置にある事でラスト2曲へ向けてのいい橋掛となっている。


残りは、
4.「Opium Trail」
5.「We Will Be Strong」

なぜこれを最後に解説するかというと、この2曲こそが僕にとって「名盤まであと一歩」と思わせる曲だからである。


4.「Opium Trail」
 THIN LIZZYの『Bad Reputation』に収録されていた曲のカバー。
 曲自体は素晴らしいハードロックたが、問題はこの曲でメインボーカルを取ったジョン。
 フィル・ライノットに寄せたというよりも、フィルを真似ている風にしか聴こえない……。
 フィルを尊敬するがあまり自然とそうなったのかもしれないが、このカバーだけは未だに好きになれない。
 いっそのことこれ自体を外したほうが印象が良かったかもしれない。

5. 「We Will Be Strong」
 EUROPEの元同僚、ジョーイ・テンペストがボーカルで参加した曲。ジョンもボーカルを取っている。
 非常にポップでメロディも素晴らしい。EUROPEのアルバムに入っていてもおかしくないほどの良曲。
 しかし、個人的にはこの曲がこのアルバムの“統一感”を損なわせている印象を受けるのだ。
 グレン・ヒューズが歌うストレートなハードロックが大半を占める中、このキラキラしたポップな曲は明らかに場違いな気がしてならない。

「名盤まであと一歩」


これを読んで嫌な気分になる人もいるかもしれないが、これが20年以上も大好きで聴きまくっている僕が思っている正直な感想だ。

ツイッターに"#自分を構成する9枚"という固定ツイートを貼っているが、このアルバムは限りなくその9枚に近い「次点」のアルバムである。

それぐらい聴きまくった。

完全無欠の名盤になれる可能性があったのに、上の2曲の存在でプロジェクト感が少しだけ入ってしまった…。

"少しだけ"であるが、そこが何とも歯痒くて歯痒くて(笑)

ただ、ハッキリ言いたいが、グレン・ヒューズが歌ったストレートなハードロック、という意味ではこれ以上のクオリティのものは他に存在しないと思う。

まだ聴いたことがない人には必聴のアルバム!!というフォローを最後に入れておきます(笑)