前回からの続きです・・・


 
「一緒に住まないか」


悪性リンパ腫の診断を受け、
その後 入退院を繰り返し
再び入院中の主人・・・



その父親であり、
私達の上司である 
       その人が 言ったセリフ





仕事先のレストラン

その店内で
テーブルに向かい合わせて座り

淡々と・・・

時に微笑みながら…

         その人は話し続けた



アイツも「一緒に住む事」に賛成だ



アイツとは 奥さんの事…
奥さんとは再々婚で年の差婚。




     お義父さんの再婚した女性は
     これまた私の上司にあたる人


     そして
     私とは2つ違いの人




 
付き合っている期間は
長いかもしれないが、
「結婚」という形を取ってからは
                  まだ日が浅かった




 
そんな新婚の二人が



 自分の息子の嫁と
 4歳の孫と


一緒に住もうと 言っている…



   入院中の息子の状態が
   どうなるか分からない状態の中



血の繋がらない三十過ぎの女と
息子の血を分けた女の子と


一緒に住もうと・・・







娘もまだ小さいし、
生活の中に
大人の男の人がいた方がいいだろう





       「娘のためにも…」





 そうその人は言っていた






 その一言は

 私にとってかなり大きなモノだった






投薬を続けることができるかも、

状態が急変するかも分からない…


主人がそんな時、





精神的に不安定で・・・




また

その不安定な状態の自分が、

娘と二人きりでいることに

                 より不安を感じていた





こんな自分と一緒にいて大丈夫か




この小さな娘に

こんな状態の私が近くにいることで


幼少期に
悪い影響を与えてしまってるのでは…




    こんなお母さんで・・・

     
            こんなお母さんが・・・





バカみたいだけど、

本当に

      そう思って悩んでいた…




 
客観的に聞いてたら

そんな選択は考えないけど…





今の私なら、

そんな選択しないけど…






その当時の、


そんな心理状態の私には


         このセリフは大きい・・・




         「娘のためにも…」 







その言葉を聞いて

私の口から出てきた言葉は





   よろしくお願いします




引越しも考えたりしたんです…


そんな風に
言っていただけるなんて…



ありがとうございます…






次から次へと


その人へ向けて言葉を発した






 何度も


           何度も




   ありがとうございます



                     



     その時の私は言っていた・・・







もう    


             この時 すでに



今の私では考えられない、






       違った世界の思考回路へ…






 知らず知らずに

    どんどんと入り込んでいた・・・