飛び込み面接から始まった
レストランのバイト
面接で目の前にいたのは
そこのエラい人。
そこのキッチンで働いていた
のちの主人
エラい人と主人は
親子です
それだけ聞くと、
親子でレストラン経営
実際は
そんなホンワカしたもんじゃなく、
どちらかと言うと
いつでも どんな時でも
上司 と 部下
って感じだった
主人が昔、
「親父って感じより
仕事の関係の方が強い」
と言うような事を話していた。
確かに
そんな感じを受けていた・・・
ただ、ふとした時に
二人の間に
見えない絆
を感じる時があったのも確か。
私の勝手な解釈だけど・・・
もの凄く 敬っているように感じる時と、
エラく反発している時と、
誰よりも認めている部分と、
誰よりも認めない部分と、
常にどっちも
主人は持ち続けていた・・・
店をアレコレ左右する力を持った、
そんな人物の息子で、
その息子の嫁に
私は なった
とは言っても
そうなるまでは
ナニヤラ大物さんで、
幾つもナニヤラ経営をし、
あの人物が言えば
白も黒になる
みたいな存在で・・・
どう接すれば、相手が従うか
鞭をし続け どう追い込ませるか、
飴を与えて どう信頼させるか、
追い詰めた人間を
どうコントロールするか・・・
自分の発する言葉一つ一つが
どれだけの影響力を持っているのか…
その大物さんは
全て分かっていた
分かった上で
全てやっていた
そんな人物である その人は
私の中で
そう簡単に
変わるもんじゃない
結婚したからといって、
形式上 お義父さん でも…
いつまで経っても、
どんな時でも、
あのエラい人
だった
だから、
結婚したから。
旦那の父だから。
なんて
普通の仕組みの関係には
到底なりきれなかった・・・
ただ
主人が再び入院し、
仕事場と幼稚園と病院と・・・
アチコチ往復を繰り返す日々
そんな生活の中で、
仕事場の色んな都合を
表面上 揉め事がないように・・・
上手くやりくりできるように・・・
そんな生活を
やり続けられたのは、
その
形式上の繋がり
があったから
周りの人達には
息子の嫁として、
時にはキツく
時には優しく
そんな風に接している
そんな 人物に見えていたかも知れない
でも それは、
後々分かることだけど、
ずっと先に繋がることだけど、
決して
そんなモノじゃなかった・・・
その話は
またこれからゆっくりと・・・
今 ここにきて
ひとつ ハッキリ言えるのは・・・
バイトとして働く間に、
私はすっかり
その人物に
コントロール
されていた
その当時の自分には
全く
その意識がなかった