今は亡きPink FloydのオリジナルメンバーであるRichard Wrigtの1978年に発表したファースト・ソロ・アルバム「Wet Dream」が、アルバム発売から45年、そして彼の80回目の誕生日となる2023年7月28日に、新装され再発された。

今回の作品は、お馴染みSteven Wilsonがリミックスし、Richardの子供のGalaとJamie Wrightによるディレクションのもと、アートワークもリニューアルされた。

オリジナルのアートワークは、Storm Thorgersonのデザインによるもので、HipgnosisのAubrey Powellが撮影した写真が使用されたが、今作はギリシャで活動する写真家Costas Spathisによるもので、2枚目のソロアルバムの「Broken China」にも似たグラフィック・デザインはCarl Gloverが担当している。なお、このオリジナルのアートワークは、ブックレットに掲載されている。

今回、Steven Wilsonによるリミックス音源を収録したCDに加え、アルバムのアートワークを踏襲した透明ブルーのマーブル・カラー・アナログ盤、そしてSteven Wilsonのリミックスの5.1ミックス音源を収録したBlu-rayという3形態の作品、そして、ドルビー・アトモス・ミックス音源を含むデジタル・アルバムとして今回初めてデジタル配信された。

発売時は、イギリスでも殆ど話題にもならなかったようで、Rick WakemanやTony Banks等に比べ我が強くないようでサックスやギターのソロの方が目立つ曲が多く、プログレの作品としてはかなり地味であるの確か、ただ味わい深い作品ではある。