夜の恋愛小説 止められぬ想い
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結婚というのは、いつ、誰が作った制度なのだろうか。

一度結婚をしたらそれが最後、夫婦は永遠の愛を誓い合うと同時に、その他の異性と恋に落ちることを暗黙のうちに禁じられる。

どちらか一方が家庭を守り、どちらか一方が外へ働きに出る、という役割分担をし、2人で1人として生きていく、という前提からか、新たな恋をすることは婚姻制度上で許されていない。

恋をする、という人間の機能を自分でスイッチオン、オフ、コントロールできれば良いのだが、生憎そのスイッチは自分の頭ではなく胸の辺りで自分とは別の何かが独立して操作しているらしい。

あどけない笑顔を見せながら、食事を終えて帰りの駅に向け並んで歩く彼女の隣で、そのスイッチがいつのまにかオンになっていることを静かに確認した。