探偵のグルメ25食目は
肉うどんとかすうどん
探偵は主に調査後にお腹が空くのですが、調査終了時に何処にいるかがキーポイントになります。
都内で調査が終了すればそこにしかない料理を食べたくなりますし、事務所がある神奈川近辺で終了すれば、行きつけのお店に行きたくなります。しかし、そこをグッとこらえて家に帰って自炊をするのもまた一興。このブログでは、そんな少し変わった探偵のグルメを記録していこうと思います。
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その日は夜な夜なお腹が減り夜食を作ることにした。時刻は深夜1時半。次の日は予定があったものの、夕方からだったので夜更かししていた。人間、夜更かしすると余計に腹が減るものである。冷蔵庫を開けると、うどんと豚肉、それにミョウガが余っていた。このメンツを見てすぐにメニューは決まった。
慣れた手つきで鍋にお湯を沸かす。なべ底の錆はもう取れそうにないな、と考えているとあっという間にお湯が沸騰した。うどんを入れ数分、箸でかき混ぜながらゆでる。その間に、もう一個の、こちらは綺麗なテフロン加工された鍋に、水と白出しと塩を加え火にかける。沸騰したら弱火にし、豚バラとミョウガを投入。豚肉の油が染みわたった、最高の出汁の完成だ。
茹で上がったうどんは湯を切り、どんぶりに盛る。その上から、豚バラ入りの出汁をぶっかければ、、、、
深夜に食べたら一番うまい、豚バラ肉うどんの完成。
白出しベースの汁と豚バラの相性は言うまでもなく至高。
ミョウガはさっぱりとしたアクセントになり、肉汁の旨味を引き立てる。
塩を足したことで塩味が強く食べ応えのある一品になった。
うどんを食べ終えた後は、軽く画像編集などをしていたら寝落ちしてしまった。目が覚めたのは8時ころ。夜食のおかげで腹は減っておらず、そのまま何も食すことなく一日を過ごした。
一段落したのは22時を回っていた。さすがに腹が減ってきたものの、昨日の今日で深夜に爆食いするわけにはいかない。一旦冷静になり、帰路でいい感じの店がないか考えてみた。この時間ともなると帰ってから自炊する元気はない。
すると一つの選択肢が生まれた。それは、串カツ田中。家の近所、、、ではないが少し足を伸ばせば行ける距離に串カツ田中がある。串揚げが美味しいのはもちろんだが、串カツ田中には串カツ以外にもう一つ名物がある。
それは「かすうどん」だ。
名古屋名物かすうどん。食べる前まではそこまで魅かれていなかった料理だが、以前串カツ田中に行ったとき何の気なしに頼んでみたらこれがクリーンヒット。うどんのもちもち感もさることながらかすがうまい。汁も油がいい具合に混ざった満足感のある一品だった。
その経験から、今度は串カツじゃなくてうどんだけ食べに来るのもありだなと思っていたところだった。今まさにそのタイミングと確信した。
店内に入ったところで、うどんだけ頼むのって少し恥ずかしいな、と思ったが、ここまで来たら貫き通すことにした。別に串カツを食べてもよかったのだが、ただ何となくうどんだけを注文してみることにした。
もちろんオーダーは通り、数分後待ちに待ったかすうどんが運ばれてきた。
かすととろろ昆布とネギが乗ったシンプルなかすうどん。
汁は白出しベースに似た味わいのさっぱり系。
かすはホルモンから油を抽出したもので、カリカリした食感とじゅわっとした風味が最高。
この出汁は言わずもがなウマい。そしてうどんのコシが抜群によく、家では作れない味わいがある。
あまりのうまさにものの数分で汁まで飲み干してしまった。700だが800だかの値段だった気がする。高々かすが入っただけのうどんにここまでの可能性があるのか。このうまさならこの金額を払ってもいいと思ってしまった。
会計を済ませ店の外に出ると少し肌寒くなっていた。口の中には、まだうどんの余韻が残っている。
「美味しかったなぁ」
思わず言ってしまう。
時刻は22時半。自分の選択に満足したのか、軽い足取りで家路に着いたのだった。
そして探偵は悟る。
かすうどんて名前変えてあげたい。
ごちそうさまでした。