『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』
※ネタばれするので、まだ本を読んでない人はこのブログは読まない方がいいと思います。
人生、人それぞれにいろいろな楽しみがあるけど、僕にとって村上春樹の小説を読むことは、間違いなくそのベスト10に入ってる。
ハルキストというほどマニアックなファンじゃないけど、主要な小説は全て読んできた、
そして、今、その最新作を読み終えたところだ。
読後の至福感とともに数多くの謎が不協和音のように漂っている。
緑川の小さな布の袋の中身は何だったのか?
緑川は旅館を出て1か月後に死んだのか?
灰田はなぜ急に休学して、つくるの前から姿を消したのか?
誰がなぜシロをレイプしたのか?
なぜシロはそれをつくるのせいにしたのか?
なぜシロは浜松に引越したのか?
誰がなぜシロは殺したのか?
沙羅といた中年の男は何者?
つくるは沙羅を手に入れることはできたのか?
...まだまだあるけど、ちょっと性的描写の部分もあるので、ここでは書けないなぁ。
ただ、その不協和音はもちろん心地よいものである。
もうそれは、読者の自由なイマジネーションに任されていると思うし、それこそが
小説=フィクションの醍醐味だよね。
例えば勝手な想像だけど、シロをレイプした犯人がシロを殺したとか??
それと今回の小説で僕にとって面白かったのは、舞台の多くが名古屋に関係してたこと。
名古屋を知ってる人なら読んでいて「ああ、ここはあそこの店ね」とか「きっと、ここのビルね」とか
想像できるはず。
村上春樹はこの小説を書くにあたり名古屋に来ていたのだろうか、それとも想像力だけであそこまで
書けるものだろうか。
そんな世俗的なことは別にしても、この小説は村上春樹のエッセンスがコンパクトにパッケージされていると思う。
例えは変かもしれないけど、村上春樹のベストアルバムのような気がする。
主人公は悩み、恋をし、SEXをし、彼を取り巻く人々も同じように悩み、時には死んでしまう。
いくつかの象徴的な夢が出てくる。現実とも夢ともわからないように。
音楽についての造詣の深さは相変わらずだし、今度またCDも出るようだし。
地下鉄サリン事件についても少し匂わせてるね。
いつも思うんだけど、続きが読みたいって思わせて、ブチっと切っちゃうところが村上春樹の中毒性(?)になってしまう所以だよね。
さてさて、至福の村上ワールドからそろそろ戻ろうかな。
時刻もそろそろ2:30だし。
これで書評がおもいっきり読めるww
