今日、出勤前に家事をしながらラジオを聴いていたら、

「かつ丼の思い出」というテーマで、リスナーの投稿が流れてきました。

 

かつ丼🍚

最近、いや、もうずっと食べてない

 

どのリスナーの投稿も面白かったけれど、

少し興味を持ったのが、

「『かつ丼』と言えば、映画『幸せの黄色いハンカチ』の中で、高倉健さんが出所後にかつ丼を食べていたシーンが思い浮かびます」というものでした。

なんでも高倉健さんは、このシーンの撮影のため、二日間絶食したのだそうです。

すごいね。

さすがプロだね。

「あの迫力あるシーンは、だから撮影できたのですね」

とかなんとかコメントされてたけど、

断食後のかつ丼はさぞ美味しかっただろうな。

 

でも私知らないんです汗

てか、覚えてない、そのシーン…

そんなのありましたっけ…あせる

 

「かつ丼の思い出」

 

私にもありますよ。

 

夫の好物はかつ丼でした。

うなぎとか天ぷらとかコロッケとか、

とにかく夫はヘビーな食べ物が大好きでした。

一方私は脂っこいのは苦手。

夫のためだから時々は作ったけれど、あまり積極的には食べませんでした。

 

何年前だったかな。

もう、ずっとずっと前、

何かの懸賞に応募して「かつ丼の素」というのが当たったの。

どこのメーカーだったかも覚えてない。

ペットボトルに入った濃縮液体調味料で、確か10食分ぐらいあったの。

 

カツと玉子と玉ねぎがあれば簡単に作れそうだったので、

スーパーでお惣菜のカツを買ってきて作ってみたのね。

そうしたら、味は決まるしすごく簡単。

 

そして、夫がそれをすごく喜んだのよ。

「美味しい、美味しい」って。

 

実は「素」を使っているし、カツだって私が揚げたんじゃない。

(それは言えなかった😓)

こんな手抜き?のかつ丼を、こんなにも喜んでくれるなんて…

ちょっと複雑な思いがしました。

私の普段の手作り料理より、やっぱり出来合いの調味料の方が美味しいのかな😿

夫はこういうのが食べたいのに、なかなか私が作らないから我慢してたのかな😿

それとも、実は夫は(私の手抜きを)知っているのかも。

私に「楽して料理していいんだよ」と伝えたくて、

こんなにも喜んでみせているのかな…

 

いろんなこと思ったかつ丼でした。

 

でもとにかく、そんな手抜き料理を夫は喜んでくれた。

それが嬉しくて、それからも度々作りました。

 

幸せだったあの頃

元気な時の夫の姿と言えば、

浮かんでくるのは、

こんな風に美味しそうに食べていた姿

二人して食べた、(一応手作りの)かつ丼の思い出

 

亡くなる前、食べられないことに苦しんでいた夫の姿が、

今も時折フラッシュバックして私を苦しめるから、

元気にモリモリ食べていた姿が余計にせつなく思い出される。

 

食欲って生きることそのものだよね。

 

 

 

皆さんのブログを拝見すると、

中には、癌の治療中は生ものを避けるように言われていたとありますが、

夫の時は、そのような食事制限は全くありませんでした。

私の方から主治医に聞いたのよ、何度も。

「食事で気をつけることはありますか」って。

「好きな物、食べられる物を何でも自由に食べさせてあげてください」

いつもそう言われてたの。訪問看護師さんにも。

夫は少し糖尿があったのに、それについても何も言われなかったのよ。

 

たぶん、夫はもう完治しないし、先は長くはないからだったのね。

 

 

でもとにかく、食事制限がなかったおかげで、

抗癌剤治療中も、体調がいい時、夫は比較的好きに食べていました。

揚げ物も、うなぎも、お寿司も、焼肉も…

 

あのように言ってくれた主治医には感謝しています。

でも、もっともっと食べさせてあげればよかった。

もっと、一食一食真剣に選んで、美味しいものばかりを食べさせればよかった。

 

結局行きつくところはいつも同じ

あんなに私、がんばったはずなのに、

やっぱり後悔してしまう。

もうどうしようもないだけに、

やっぱり苦しくせつなくなる。

この気持ちを抱えながら、

これから一人でなんとかやっていくしかないの。

 

これが私の「かつ丼の思い出」です。

(これ、ラジオに投稿していたら読んでもらえたかな📻)

 

私にとっては思い出の味

仕事の帰りにスーパーで、あの「かつ丼の素」を探してみたけど、

もう売っていませんでした。