「保育園義務教育化」
古市憲寿

  保育業界には課題が山積みである。一番は待機児童の問題であるが、その解決法として「保育園義務教育化」を提示しており、その有用性や社会への好影響を説明している。

  低年齢児からの保育園は、簡単にまとめると
①児童の良い成長に繋がる
②児童が大人になった時の犯罪率等が減り、社会のためになる。
③女性の職場復帰に繋がる
と言ったところとのことである。

  なるほど社会への好影響ばかりに見えるのだが、やっぱりコストがネックになると私は思う。
  本書では、低年齢児からの保育園義務教育化により社会的なコストは長期的に見れば安くなるというが、保育園等の総コストは0〜1、2歳で約20万、3歳で約10万、4、5歳でも一人あたり5万以上かかっている。(公定価格からざっと算出しているので、実際は諸々でもっとかかっている)

  保育園を語る際には、保護者の立場で保育を受けることが当然と考えるものではなく、莫大なコストがかかっていることも念頭に置き、問題を議論していきたいものである。