NETFLIX


アナのキャリアハイの演技

ブロンド


幼い頃、母が精神疾患の治療施設に入れられたことで、孤児院や里親の元を転々としていたノーマ(アナ・デ・アルマス)。父はハリウッドの関係者だと推察したことから映画業界に興味持ち、ハリウッドの大物との関係を強要されたことをきっかけにモデル、女優として仕事をするようになる。



NETFLIX作品を初見。マリリン・モンローの作品はひとつも観たことがないがノーマ=マリリンということ、自殺されたことくらいは知っている。本作が小説をベースにしたフィクションだとはいえ…いや、これ、最初から最後まで辛いな。


マリリンといえば「50年代ハリウッドのセックスシンボル」。当時の男性が当てた言葉なのだが、現代の「セクシー」とはだいぶニュアンスが違う、もっとストレートに淫猥な匂いがある言葉。本作で描くハリウッド関係者の目が気持ち悪い。


虐待、育児放棄、パワハラ、セクハラ、METOO…今も火種が燻る諸問題。解決できていないのではなく、本気でしようとしてないだけ。ようやく動き出した現代に作られた本作。ノーマの闇が殊更ピックアップされたのは、そういう背景なのだろう。


あの大統領、あのメジャーリーガーなども実名で登場。共に「英雄」と語られることが多い人物。メジャーリーガーは「結局は合わなかった」ということだろうが、あれほど下衆に描かれた大統領はあまり見られない。



近年の推し俳優アナがノーマを演じる。常に追い詰められた演技。アナの間違いなくキャリアハイ演技なのだが…あそこまで追い込んだ仕事に精神的に心配。エイドリアン・ブロディ演じたアーサー・ミラーの存在が物語の救い。


「1時間でマリリン・モンローを作ってやる」…身も心も崩壊寸前のノーマに駆け寄るメイクスタッフのセリフ。ノーマとしての苦痛はマリリンに、マリリンとしての苦痛はノーマに逃げることでギリギリ保たれていたのかと思うとやりきれない。


これはフィクションだと言い聞かせる。が、舞台はハリウッド。いかにもありそうな話だ。壮絶。光がほとんど語られない2時間半超えはしんどい。今はモンロー作品がまともに見れない気がする。本当のノーマにはもっと光があった…そう信じたいね。



 DATA

監督・脚本:アンドリュー・ドミニク/製作:ブラッド・ピット/原作:ジョイス・キャロル・オーツ

出演:アナ・デ・アルマス/エイドリアン・ブロディ/ボビー・カナヴェイル/ゼイヴィア・サミュエル/ジュリアンヌ・ニコルソン/リリー・フィッシャー/エヴァン・ウィリアムズ



hiroでした。

*画像は「映画.com」等から引用。



13デイズ←同時代のJFKなのだが….


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