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見たことないアクションに委ねる

(C)2021「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」製作委員会

ザ・ファブル 殺さない殺し屋


伝説の殺し屋ファブル(岡田准一)はボスに長期休養を命じられていた。休養中は佐藤明という名でふつうの仕事をして生活し、絶対に仕事(殺し)をしてはいけないのがルール。そんな暮らしの中でファブルは車椅子の少女ヒナコ(平手友梨奈)と出会う。ヒナコを養っている子育てNPO代表の宇津帆(堤真一)は、顔を知らないファブル抹殺に執念を燃やしていた。


(C)2021「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」製作委員会


初見。ファブルの背景については前作に完全委託だが、ストーリーは独立しててシンプル。細かい部分を気にしなければ知識は不要。岡田が今まで「見たこともないアクション」を披露してくれるので、身を委ねて楽しんでいれば良い。


その気がなくても周囲が放っておかないファブル。いかに周りの人にバレないように、かつ敵を殺さずに対応するか、が本作の肝。銃に頼れないので格闘技が中心。日常的に目にする様々なアイテムを駆使したマンションバトルが最大の見せ場。


(C)2021「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」製作委員会


物語の下地にあるのはヒナコの存在。軽はずみな行動から底辺に落ちたヒナコ。ファブルも誰も知らないところで彼女の人生に深く関わっていた。立ち上がろうとするヒナコに手を差し伸べるのではなく見守るファブルの姿が印象的。


「悪」の存在である宇津帆の狂気が強烈。…なのだが、彼の行動原理が描き切れてないのがもったいない。ただの逆恨み? 私刑とファブル探しとの関係も不明(見落としたか?)。宇津帆は何をしてたんだろう。原作は違うのかな。


(C)2021「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」製作委員会


岡田のアクションは相変わらず。もさい感じに見えるのは原作キャラに寄せたのだろうか。相棒木村文乃も相変わらずの強さ。一度締められたい(笑)。佐藤二朗山本美月のレギュラーがいるのは安心。事件に絡みかけたが…そこは中途半端。


ヒロイン平手はフィジカルのポテンシャルを抑えて演技集中。「SP」で岡田の上司だった堤の怪演にはゾクゾク。キャラの掘り下げも見たかった。安藤政信は最近いい役が増えた? 佐藤浩市安田顕、朝ドラブレイクの井之脇海はゲスト。


(C)2021「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」製作委員会


後悔、悲しみ、憎しみ、そして恋。劇中ヒナコが乗り越えなければならないものが山積。どんなに問題があろうと自力で越えようとする意思が大事。意思がある者に手が差し伸べられる。「一生懸命やろうとしているのを邪魔しちゃ悪い」は名ゼリフ。


キャラ立ちする宇津帆とストーリーの完成度が高いヒナコ。双方のバランスが悪い。その結果、堤の怪演が空回りする悪循環。みんな頑張ってるだけにもったいない気がするなぁ。



 DATA

監督・脚本:江口カン/脚本:山浦雅大/原作:南勝久

出演:岡田准一/堤真一/平手友梨奈/木村文乃/安藤政信/山本美月/佐藤二朗/宮川大輔/橋本マナミ/井之脇海/安田顕/佐藤浩市



hiroでした。



ザ・ファブル←前作もスクリーンじゃなかった!


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