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美術チームがグッジョブ!

(C)2019 Universal Pictures. All Rights Reserved.

キャッツ


飼い主に捨てられたばかりの白猫ヴィクトリア(フランチェスカ・ヘイワード)は、町で自由に生きるジェリクルキャッツたちに出会う。その夜、舞踏会が行われ、パフォーマンスを披露した者のうち長老デュトロノミー(ジュディ・デンチ)に選ばれた者が天上へ行き、新たな生を授かる。ヴィクトリアはマンカストラップ(ロビー・フェアチャイルド)らに舞踏会の出場者を紹介してもらう。


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ミュージカル未見。映画作品も今回初見。予備知識は「ロングラン公演となったブロードウェイの名作ミュージカル」というフレコミのみ。ストーリーもキャラクターも知らずに観たのだが、本作、そういう人には向いてないのかも(汗)


一人の主人公の冒険や人生を追うのではなく、案内人(本作はヴィクトリア)を通して複数キャラクターの人(猫)生を俯瞰から見るアンサンブル・スタイル。舞台でよくあるやつ。舞台なら俳優のパフォーマンスと生の迫力で押し切れるのだが…。


(C)2019 Universal Pictures. All Rights Reserved.


録音された音、ズームで拾う表情などの映画的な演出。たとえ俳優が名演技しても、とびきり歌がうまくても、それが邪魔してライブ感が出てこない。一人ひとりのドラマは深くないので、通して眺めると平坦になるんだよね。


同じフーパー監督の「レ・ミゼラブル」は主人公を追うパターン。ストーリーにも起伏があり、ドラマチックにもなるのだが…。ただ、舞台のような広々としたセットはジャストフィット。バレエのような演舞やフォーメーションで本領発揮。


(C)2019 Universal Pictures. All Rights Reserved.


そのセットに一番フィットしたのがヴィクトリア役ヘイワード。セリフも歌もほとんどなくパントマイムのようなパフォーマンス。映画のキャリアもなくてなかなか調べられなかったが、バレエダンサーらしい。なるほど、納得の身のこなし。


デンチもイアン・マッケランも舞台歴は長いのだろう。映画でしか拝見してなかったので、こういう役は嬉しい。レベル・ウィルソンが輝く。イドリス・エルバは顔芸。テイラー・スウィフトが妖艶。ジェニファー・ハドソンが小林幸子的大トリ。


(C)2019 Universal Pictures. All Rights Reserved.


さまざまな環境にいるジェリクルキャッツ。もちろん「人」の擬態。不安だらけの世界でも夢を失わずに生きる。そんなメッセージを練り込んでるのだろう。ラストの「生まれ変わり」は猫だと話は成立する。人に当てると適切なのかどうか。


舞台だとフィットする。スクリーンだと…むしろミュージカルをそのまま上映したほうがよかったのかも。境目のわからない衣裳は凄かった。リアルすぎてちょっと怖いくらい。



 DATA

監督・脚本・製作:トム・フーパー/脚本:リー・ホール/原作・製作総指揮:アンドルー・ロイド・ウェバー/原作:T.S.エリオット/製作総指揮:スティーヴン・スピルバーグ

出演:フランチェスカ・ヘイワード/ローリー・デヴィッドソン/ロビー・フェアチャイルド/ジェニファー・ハドソン/イドリス・エルバ/ジェイソン・デルーロ/テイラー・スウィフト/レベル・ウィルソン/ジェームズ・コーデン/イアン・マッケラン/ジュディ・デンチ



hiroでした。



レミゼ←フーパー監督のミュージカル


英国王のスピーチ←ミュージカルじゃないフーパー


イン トゥ ザ ウッズ←コーデン出演ミュージカル