NETFLIX


悩めるヴァンパイア

インタビュー ウィズ ヴァンパイア


大都会の喧騒の中、飾り気のないアパートの一室にたどり着いたジャーナリスト(クリスチャン・スレーター)は青白い肌の男ルイ(ブラッド・ピット)を相手にインタビューを始める。ルイは自分はヴァンパイアだと言い、200年前のレスタト(トム・クルーズ)との出会いを語り始める。



トム、ブラピ、スレーター、アントニオ・バンデラスと豪華共演のファンタジーホラーを再見。現代も生き続けるヴァンパイアに過去を語らせる構成。アン・ライスによるヴァンパイア クロニクルズの小説シリーズが原作。ライスは本作の脚本も担当。


ヨーロッパのゴシックな空気が似合うヴァンパイアだが、合衆国誕生前の大陸のコロニアルな空気がマッチ。アメリカ、ヨーロッパ、現代の都会、と廻り舞台のような展開。終盤に劇団が登場することもあり、舞台演劇を意識している気がした。


レスタト、ルイ、アーマンド(バンデラス)、若きヒロインのクローディア(キルステン・ダンスト)ら主要人物がヴァンパイア。人間とヴァンパイアの争いではなく、ヴァンパイアの苦悩を描いているので、ホラーでありながらドラマ性が高い。



トップクレジットはトム。後半ヨーロッパ編は不在だが、その存在感は終始匂いを漂わせる。自信家、カリスマ役は十八番。出ずっぱりで物語をリードするのがブラピ。1994年の作品なので「セブン」の前年。大ブレイク直前のアブラののり具合。


公開当時12歳のダンスト。「ジュマンジ」は翌年公開で、「スパイダーマン」「エターナル サンシャイン」を経て、配信中の「パワー オブ ザ・ドッグ」につながる。スレーターは「トゥルー ロマンス」の翌年。当時大好きだったので懐かしい。


原作シリーズはトムが演じたレスタトが通しの主人公なのだとか。未読なので本作との相違は不明。続編映画「クイーン オブ ヴァンパイア」もあるが、キャストは続投ではないのでスルー中。原作者ライスは2021年12月、80歳で逝去されている。



200年以上、人間であることを捨てきれずに生きてきたルイ。純愛に生きる美しきヴァンパイア…これはウケるはず。トムのレスタトが続投されてたらビッグシリーズになってたかも。ホラーが受け入れられ、シリーズ隆盛の今とは状況が違うけどね。


30年近く前の作品だ。今と比べるとアクションやCGは弱い。が、スター三昧なので見応えは十分。ダークな色合いながら純愛要素もありなので、ホラーが苦手な人もご安心を。



 DATA

監督:ニール・ジョーダン/原作・脚本:アン・ライス

出演:トム・クルーズ/ブラッド・ピット/キルステン・ダンスト/スティーヴン・レイ/ダンディ・ニュートン/クリスチャン・スレーター/アントニオ・バンデラス



hiroでした。

*画像は映画.comなどから引用しています。



ロック オブ エイジス←トムはこのキャラに近いw


パワー オブ ザ・ドッグ←ダンストは今も活躍中


トゥルーロマンス←スレーター代表作