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本気の子ども向け作品

(C)2020 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

魔女がいっぱい


両親を交通事故で亡くしてひとりになった「ぼく」(ジャジール・ブルーノ)はおばあちゃん(オクタヴィア・スペンサー)と暮らし始める。ある日「ぼく」からマーケットで見知らぬ夫人に声をかけられたことを聞いたおばあちゃんは、魔女に目をつけられたことに気づき二人でホテルに逃げる。ホテルにはたまたまその日、会合のために魔女が集まっていた。その恐ろしい計画を聞いてしまった「ぼく」は大魔女(アン・ハサウェイ)の魔法でネズミの姿に変えられてしまう。


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「チョコレート工場の秘密」のロアルド・ダールによる児童文学を2度目の映画化。ロバート・ゼメキスギレルモ・デル・トロアルフォンソ・キュアロンというレジェンド級のクリエイターが名を連ねるファンタジーホラーを初見。


子ども向け作品だ。しかも「一生懸命」の。巨匠たちが真剣に作ったからこそ、子どもたちがマヂで怖がり、マヂで楽しめるファンタジーが出来上がる。子どもたちのための作品なのだから、大人がつまらなくても「だから?」と返されるだけ。


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子どもは魔女だとか幽霊だとかが怖い。怖いが無性に惹かれる。なぜか自分に辛く当たる人は「もしや!」なんて考えたことない? 周りの人のなかに実は魔女が混ざっていて、恐怖の計画を少しずつ実行している…なんて格好のネタ。


特殊メイクが「子どもだまし」じゃないレベル。美しく気高い顔が、口は耳まで裂けて鋭い歯が剥き出しになり、子どもたちを恐怖のどん底に叩き込む。何気に手袋を外した後も怖い。VFX慣れしてない子がトラウマにならないか心配。


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口を耳まで広げる大魔女には今や大物俳優の一人ハサウェイ。「大物なのにあそこまでやる?」ではなく「大物だからあそこまでやる」ことの面白さを知っている。スタンリー・トゥッチとはハサウェイのジャンプアップ作「プラダを着た悪魔」でも共演。


スペンサーも大物。差別に耐える黒人も孫と共に戦うおばあちゃんも同じ線上なのだろう。ネズミのデイジー役クリスティン・チェノウェスは声だけの出演。少女の役(顔は出ない)だが実は大ベテラン。主演ジャジールくんは半分以上がネズミの姿。


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引っかかるのは終わり方。ネタバレに関わるが…本作はネズミの姿のまま終わる。「戻らんのか〜い」と突っ込もう。おばあちゃんは魔法使いじゃないものね。シリーズ化して最後に戻す、なんてのもありなのかな。


子どもがワクワクする魔法ワールド。「ハリー・ポッター」のシリーズはどんどんダークになっていったけど本作は大丈夫(VFX以外はね)。吹替えのセリフも楽しい(←オススメ)。お休みの日のファミリームービーに最適だ。



 DATA

監督・脚本:ロバート・ゼメキス/脚本・製作:ギレルモ・デル・トロ/脚本:ケニヤ・バリス/製作:アルフォンソ・キュアロン/原作:ロアルド・ダール/音楽:アラン・シルヴェストリ

出演:ジャジール・ブルーノ/オクタヴィア・スペンサー/クリスティン・チェノウェス/コディ=レイ・イースティック/スタンリー・トゥッチ/アン・ハサウェイ



hiroでした。



BTTF←のゼメキス


シェイプ オブ ウォーター←のデルトロ


ROMA←のキュアロン