#24 12/15 TOHO_HIBIYA
またまたやった! エドガー・ライトの衝撃作
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ラストナイト イン ソーホー
デザイナーを夢見てロンドンに来たエロイーズ(トーマシン・マッケンジー)は寮の生活に馴染めず一人暮らしを始める。60年代好きの趣味にハマるレトロな部屋での最初の夜、エロイーズは60年代のロンドンで歌手を志すサンディ(アニャ・テイラー=ジョイ)の夢を見る。同じ街で夢を追うサンディに共感し、毎晩同じ夢を見るようになるエロイーズだったが、夢で起きたことが現実の自分の身にも起き、夢の中で見た風景を目の当たりにして、サンディは過去に実在した人物であることに確信を持つ。
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映画好きの間で話題の本作を鑑賞。エドガー・ライト×60年代ロンドンのポップカルチャー…これだけで十分にワクワク。加えてトーマシン×アニャという激アツ今旬俳優の共演。作品評価も右肩上がり。これは連日満席になるパターンか。
どんな話かは謎解きなのであまり書けない。ただ、ポイントはエロイーズは「見えてしまう」ということ。小さい時に亡くなったママも普通に見える。この能力が事件解決のカギである。ゴーストが介在するのでホラーといえばホラー。
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サンディの真実に近づくにつれ、本作の核が見えてくる。「プロミシング ヤングウーマン」と同じ基軸、似た衝撃。若者の夢を食い物にする男たち。思えば冒頭のタクシーからして伏線だった。この件、ネタバレになるのであまり語れないジレンマ。
ポップさと陰湿さとスピリチュアルをエンタメ作品として不自然なく同居させたエドガー・ライト。やはりただ者ではない。映画館の看板とヴェスパーとボンドガールと、007ネタが多いのも男性社会の風刺…というのは考えすぎか。
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激アツな二人も本作の大きな魅力。トーマシンは心情やメイクで表情がガラリと変わる。キャリー・マリガンやミシェル・ウィリアムズと似た空気。大物の予感。アニャはネトフリドラマで注目された超新星。強烈なポップアイコンで歌もうまい。
一見真逆な二人がリンクするにつれ、どこか似てくる。脚本の妙であり、二人の実力である。この二人のどっちが好き?…などと語ろうものなら亡霊どもに一歩近づくという罠。男ならテレンス・スタンプの側でありたい。
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ラスト、亡霊たちの身勝手を一蹴したエロイーズに喝采。痛快だが悲しいラストの「プロミシング〜」より希望があったと思える。ちなみにダイアナ・リグさんは2020年9月、本作公開を待たずにご逝去された。ご冥福をお祈りします。
エロイーズが見ていた夢はなんだったのか…老紳士はどこまで知っていたのか…語りたいことが多すぎる。ネタバレは避けたが、勘の鋭い方にはなんとなく見えちゃったかな。ともあれオススメ。先入観ゼロでスクリーンに足をお運び願いたい。
DATA
監督・脚本・原案・製作:エドガー・ライト/脚本:クリスティ・ウィルソン=ケアンズ
出演:トーマシン・マッケンジー/アニャ・テイラー=ジョイ/マット・スミス/ダイアナ・リグ/マイケル・アジャオ/シノヴェ・カールセン/リタ・トゥシンハム/テレンス・スタンプ
hiroでした。