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続編がないとこれだけでは…

(C)The H Collective

ブライトバーン/恐怖の拡散者


農場を営むトリ(エリザベス・バンクス)とカイル(デヴィッド・デンマン)の養子ブランドン(ジャクソン・A・ダン)は頭はいいが周囲に打ち解けるのが苦手。思春期を迎え、反抗的な態度をとるようになっていたブランドンは、ある夜、無意識のうちに導かれるように納屋の閉ざされた扉の前にいた。その日を境に不思議な能力が覚醒したブランドンにトリは隠していた秘密を打ち明ける。


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ガーディアンズ オブ ギャラクシー」のジェームズ・ガン製作のホラーを初見。ビジュアルが「いかにも」なのでホラーだと想像つくが、あらすじを見る限り「SF?」かと。そう、ブランドンの秘密とは、地球外からきたらしい、ということ。


宇宙からやったてきたブランドンが地球人夫婦に育てられ…容易に思い浮かぶのは「スーパーマン」。ところがブランドンはいい子じゃなかった。自我の芽生えで覚醒した能力は無敵。力を持つ子どものわがままはただ残酷なだけだ。


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グレたクラーク・ケントは邪魔する者を排除する。この流れは「オーメン」じゃないか。覚醒した暴君ブランドン。シンプルに作っているだけにその恐怖は十分以上に伝わる。これはSFなんかじゃなく立派なモンスターホラーだと確信。


子どもを主人公にしたのはずるい気はする。が、そういう作品もないわけじゃない。要はどこに落とすか、だ。母の愛は異能の子を目覚めさせることはできるのか。ジェームズ・ガン流スーパーマンの結末はご覧になってご確認を。


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感情の起伏のない表情を維持するブランドン役のジャクソンくん。経験が浅い俳優にとってはあそこまで振り切って正解だったみたい。「カット」の後はさぞかし愛くるしい笑顔だったんだろう。その他はフラグ隠しのためか、無名役者が多い。


唯一大物オーラが溢れ出ていたバンクス。過去映像は誰だかわからないほど若い。邪悪な少年の母から「パワーレンジャー」のラスボスまで、年齢相応のキャラクターの中でも振り幅の大きい役作りはさすが。あ、ヨンドゥのマイケル・ルーカーがいた。


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恐怖は拡散されていたのでホラーとしての責務は全うできていたかと。ただ、強すぎ。弱点のヒントはあったものの歯が立たずにラストになだれ込んだのは続編への布石か(エンディングのバックにも仕込みあり)。その続編、話はあるようだ。


「この強敵を倒すのは誰だ?」という続編ありきなエンディング。このまま終わらせるとなると、単品としての完成度は高くないので残念。感想としては「クラーク・ケントを育てた両親はすごい!」が第一(笑)



 DATA

監督:デヴィッド・ヤロヴェスキー/脚本・製作総指揮:ブライアン・ガン/マーク・ガン/製作:ジェームズ・ガン

出演:エリザベス・バンクス/デヴィッド・デンマン/ジャクソン・A・ダン/マット・ジョーンズ/メレディス・ハグナー/エミー・ハンター/ベッキー・ウォールストロム/マイケル・ルーカー



hiroでした。



GOG←ジェームズ・ガン作品


スースク←これもジェームズ・ガン


パワーレンジャー←バンクスさん怪演