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たとえばゆるい幸せがダラっと続いたとして…

(C)浅野いにお・小学館/「ソラニン」製作委員会

ソラニン


芽衣子(宮﨑あおい)は大学の軽音サークルで知り合った種田(高良健吾)と同棲している社会人。会社員に向いていないとモヤモヤする中、サークル仲間のビリー(桐谷健太)、加藤(近藤洋一)とバンド練習を続けている種田をどこか羨ましく思っていた。会社に嫌気がさして辞表を出した芽衣子はのんびりした生活を始めるが、一方の種田は音楽との向き合い方に苛立ちを抱えていた。


(C)浅野いにお・小学館/「ソラニン」製作委員会


俳優「宮﨑あおい」に惚れたのが「少年メリケンサック」なら単純に可愛い女の子だなって惚れたのは本作から。今ではナンバーワン推し。監督「三木孝浩」を強烈に意識したのも本作だったかな。そんな記憶に残る作品を久しぶりに再見。


主題歌「ソラニン」は原作コミックですでに詞があったものにASIAN KUNG-FU GENERATIONが曲をつけたもの。なので作詞は原作者浅野いにおとなっている。「たとえば ゆるい幸せが ダラっと続いたとして」のフレーズがまさに本作のすべて。


(C)浅野いにお・小学館/「ソラニン」製作委員会


仕事にも夢にも邁進できないでいる若者像である。ゆるくダラっと、である。仕事は生活のためと割り切って夢を諦めるのは「いつなのか」の分岐点。そういう想いにサヨナラして前に進もう、というのが「ソラニン」の歌詞なのだという。


「ソラニン」をライブで歌った芽衣子は最後に前進する決断をする。ただ55年生きて思うことは、夢を諦める必要はないし、合わない仕事なら別の仕事に挑戦すればいい、ということ。合う仕事はきっとある。何もしないのが一番良くないのではないか。


(C)浅野いにお・小学館/「ソラニン」製作委員会


そんな理想論を掲げられても、そういう時期は必ずあるもの。多分年齢も関係なし。みんな同じようなこと考えてるんだ、という共感が本作のツボ。そこから先は人それぞれ。今日がダメなら「明日から頑張ろう」でいいんだと思うよ。


宮﨑あおいの歌唱シーンは話題になった。決してうまくはない(笑)。高良くんがうまいのは「フィッシュストーリー」で証明済み。桐谷くんもうまいがサンボマスター近藤と共にボーカルは封印。「スワロウテイル」の伊藤歩は女神のような役。


(C)浅野いにお・小学館/「ソラニン」製作委員会


ビリーの泣きで少し盛り上がるくらいで全体的にゆるい作品。恋愛モノが得意な三木監督にしてはサラッとしてるのも好感。ガツガツしてないし、最後にちょこっと背中を押されるだけなので、けっこう参ってるときでも心地よく観れるんじゃないかな。


この時期、何かしたくてもできないのだけど、だからといって何もしないのは心に毒をもつ。突破口は必ずある。今日はゆっくり休んで、明日からでも前に進んでみようよ。



 DATA

監督:三木孝浩/脚本:高橋泉/原作:浅野いにお/音楽:ent

出演:宮﨑あおい/高良健吾/桐谷健太/近藤洋一/伊藤歩/永山絢斗/岩田さゆり/野間口徹/ARATA/美保純/財津和夫



hiroでした。



少年メリケンサック←大好き


フィッシュストーリー←高良くん歌うま!


スワロウテイル←歩ちゃんがまだ少女