WOWOW鑑賞


終わり方はなかなかです

アーサーとふたつの世界の決戦


巨大化して地上世界に現れたマルタザール(ルー・リード)は世界征服を企んでアーチボルト(ロナルド・クロフォード)の持つ巨大化薬を狙う。アーチボルトの孫のアーサー(フレディ・ハイモア)もミニモイのセレニア(セレーナ・ゴメス)、ペタメッシュ(ジミー・ファロン)と共にマルタザールの計画を阻止しようとする。



シリーズ3作のなかで唯一未見。前作のラストにがっかりして「観るのをやめた」のもあるけど、これ結局劇場未公開だったことを今回知った。いわゆるビデオスルー。前作は「次回につづく」で終わっただけに、放送してくれたWOWOWさんに感謝。


2の不満は本作で解消。2の伏線を拾いつつ語るテーマは「家族」。父(ロバート・スタントン)の愛は直線的。表現下手でも愛は普遍。そして母(ペニー・バルフォー)の大きな愛があってこの家族が完成する。間が抜けている両親でもそれがふつう。


ヴィランであるマルタザールとその子ダルコス(シムハ・バルビロ)の関係性も親子。アーサーの父と義父アーチボルトとの関係も義理の親子である。さまざまな親子を描いたシリーズラストはなかなか。大人だからといって完璧な親などそうそういない。



技術的には実はなかなか凄いことをやっている。前2作は人間界とミニモイの世界を別個に表現している。ミニモイが人間界にいるときもCGキャラの背景に実写がしいてあるに過ぎない。本作、巨大化したキャラが人間と一緒に躍動する神業(当時)。


ただし、前作レビューでも再三申し上げたとおり、前後編的な構成はうまくいってなかったか。前作が単なる前振りであり、つづきに期待させるワクワクがなかったのが大きい。結果として、日本において続編劇場未公開という最悪の事態。


幸いDVD等の販売とWOWOW放送があったため事なきを得た。せっかくの上々の締めくくり。スクリーンで上映させてあげたいところだが、2と3で1本にまとめるとか、構成を変えるとか…。製作側と配給側との連携がうまくいってなかったか。



出演陣は前作とほぼ同じ。ただ、やはり、1作目のデ・ニーロにマドンナにボウイの神がかったキャストに比べるとトーンダウンは否めない。3人の続投がなくなった時点で元々綱渡りだったのかもね。


2を観てやめちゃった方(僕もそう)、本作観ると腑に落ちるのでおすすめ。



 DATA

監督・脚本・製作:リュック・ベッソン/脚本:セリーヌ・ガルシア/音楽:エリック・セラ

出演:フレディ・ハイモア/ミア・ファロー/ロナルド・クロフォード/ペニー・バルフォー/ロバート・スタントン/シムハ・バルビロ/ジミー・ファロン/セレーナ・ゴメス/ルー・リード



hiroでした。



ミニモイの不思議な国←ヒットした第一弾


魔王マルタザールの逆襲←少し残念な第二弾


ネイビーシールズ←ベッソンの製作・脚本作