WOWOW鑑賞
まさかの導入だが、しっかりミステリー
屍人荘の殺人
大学のミステリー同好会で自称ホームズの明智(中村倫也)とワトソンの葉村(神木隆之介)。同じ大学の比留子(浜辺美波)からフェス研の合宿に謎の脅迫状が届いたことを聞き、一緒に合宿に参加するよう依頼を受ける。比留子が警察の捜査にも協力している本物の探偵だと知った明智は葉村と共に合宿に参加。宿泊所になっているフェス研OB七宮(柄本時生)が所有するペンション紫湛荘に向かう。
(C)2019「屍人荘の殺人」製作委員会
昨年スクリーンで見逃したまま、やっと初見。まさかのゾンビ(笑)。でも、あくまで密室(建物から出られないこと)を作るためのシチュエーション。ゾンビ映画ではなく、ちゃんとミステリー映画になっているので、そっちが苦手な方でもご安心を。
紫湛荘の外はゾンビだらけ。閉じ込められた格好の面々だがその密閉空間で殺人事件が発生。謎解きしてる場合じゃないだろ、という状況のなかでの犯人探し。終わってみれば犯人の動機はシンプル。焦点はその「方法」ということになる。
(C)2019「屍人荘の殺人」製作委員会
意思のないゾンビに殺人は不可。つまり犯人は人。ゾンビを殺人の「方法」として使ったトリックは前代未聞。前例はないので早い者勝ちの名誉。ドアの解錠という古典的なトリックを入れたのも、本作はそういうのとは違うよ、という意思表示か。
合宿、フェス、ゾンビの出現…そこに明智、葉村、比留子の学生探偵が居合わせたのは偶然か必然か。謎の多い比留子にもある思惑があり、なかなか凝った構図。紫湛荘の殺人事件とゾンビの出現は一切無関係。単なる偶然だった模様。
(C)2019「屍人荘の殺人」製作委員会
神木くんはお手の物の役どころ。いつも通りのキャラなのだが葉村にぴたりとハマる。原作はアテ書きではなかろうか。キャラクタークイーンの美波ちゃん。本作でもオーバー気味の演出で魅力を発揮。キャラの作り込みでは若手女優屈指。
予告ではトリオのような扱いだった倫也くん。倫也くん目当ての方は予想外の展開にガッカリする。時生くんはじめ古川雄輝、矢本悠馬、佐久間由衣、池田鉄洋等々共演陣もなかなか豪華。そんななか山田杏奈、福本莉子ら馴染みの薄い面々が光ってた。
(C)2019「屍人荘の殺人」製作委員会
思いがけない展開で少々慌てたが、原作ありきのキャラ系作品としては上々。間違いなく既視感のないストーリーだ(イコール傑作というわけではないが(笑))。調べると木村ひさし監督は堤幸彦に師事していたのだとか。なるほど、腑に落ちた。
比留子と葉村のコンビで続編はあるのか。個人的には見てみたい。
DATA
監督:木村ひさし/脚本:蒔田光治/原作:今村昌弘
出演:神木隆之介/浜辺美波/古川雄輝/柄本時生/矢本悠馬/佐久間由衣/葉山奨之/山田杏奈/大関れいか/福本莉子/池谷のぶえ/塚地武雅/ふせえり/池田鉄洋/中村倫也
hiroでした。