#5 4/14 TOHO_NIHONBASHI


映画史上最もキュートな殺人鬼登場!

ザ・スイッチ


町の都市伝説になっている殺人鬼ブッチャー(ヴィンス・ヴォーン)により4人の高校生が殺された。その最中で行われた学園祭の後、母の迎えを一人待っていたミリー(キャスリン・ニュートン)の前にブッチャーが現れる。ブッチャーにつかまり、振り下ろされたナイフに肩を刺された時に激痛と共に気を失うミリー。翌朝目が覚めるとブッチャーとミリーの体が入れ替わっていた。



ブラムがまたやってくれた。猟奇殺人スリラーとハイスクールの青春コメディ。相反するコンテンツをひとつにしちゃったニュースタイル。思い起こせばホラー映画の導入はだいたいハメを外したイチャイチャカップル。元々相性は良かったのかも。


スイッチものの醍醐味がギャップ。中身がブッチャーのミリーは想像できる。楽しみなのが中身がミリーのブッチャー。片想いの彼と二人になってドキドキのオッサン(中身は内気な女子高生)。これが予想以上に突っ走るので抱腹絶倒。



そんな楽しいスクールライフなら、とお気軽に観に行く人に牙を剥くのがブラム。容姿が女子高生でも中身のブッチャーは本気の殺人鬼。殺すのに理由もなく、その手口も容赦ない。映像的にもなかなかエグいので、耐性のない方は要注意。


なぜスイッチが起きたのか。「儀式」とは何か。ナイフの目的は何なのか。スイッチナイフの謎がノータッチと言っていいくらい大胆に放置されたのは続編への伏線か。続編ありなら、キャラではなくアイテムでつなぐパターンになりそう。



監督のランドンは話題作「ハッピー・デス・デイ」シリーズに続くブラム作品。お金をかけなくてもエンタメは作れる、という見本。両作のコラボを匂わす発言もあり、今後注目のディレクター。「ハッピー〜」は未見につき配信・放送が待ち遠しい。


ランドン脚本「パラノーマル・アクティビティ4」主要キャラのニュートンが本作主演。「ベン・イズ・バック」などシリアスもこなすブレイク必至の若手。W主演ヴォーンが殺人鬼兼女子高生の鬼演技。試着室シーンは殺人鬼顔でも思わずホロリ。



おかしいのと怖いのとの同居。企画の面白みだけでヒットするなら苦労しない。本作ではベースに敷いた胸熱ストーリーがカギ。ラスト、主人公と母と姉が3人で殺人鬼と対峙する。父の事故死を引きずる家族の再生である。

終わった〜と思わせて…というラストはよくある。が、本作、ホントにスッキリ終わらせてくれる。これがまた良かったりする(笑)


 DATA

監督・脚本:クリストファー・ランドン/脚本:マイケル・ケネディ/製作:ジェイソン・ブラム
出演:ヴィンス・ヴォーン/キャスリン・ニュートン/ケイティ・フィナーラン/セレスト・オコナー/アラン・ラック/ミシャ・オシェロヴィッチ/ユリア・シェルトン/デイナ・ドゥロリ


hiroでした。