WOWOW鑑賞
小さい大冒険にビッグネーム集結
アーサーとミニモイの不思議な国
ママとパパが仕事で外国にいる間、ママのおばあちゃん(ミア・ファロー)に預けられたアーサー(フレディ・ハイモア)。ところが借金の返済を求められ、思い出の家を手放すピンチに見舞われていることを知り、アーサーは行方不明になったままのおじいちゃん(ロナルド・クロフォード)がどこかに隠したルビーを探すことに。冒険好きのおじいちゃんが残したヒントを追って、庭のどこかにあるミニモイの国へ向かう冒険が始まる。
2007年の公開時にスクリーン鑑賞。14年ぶりの再見ってことになる。WOWOWさんのシリーズ3作品一気放送のおかげ。ベッソンの実写+マペットアニメによる冒険ファンタジーというのも希少。それを3本も観れるというね。まずはその第1作目。
さらに遡る1982年、「セサミストリート」で知られるフランク・オズが監督したマペットアニメ「ダーク・クリスタル」を思い出す。そこから25年も経っているのだがマペットの良さは普遍。さすがにCG化されているのだろうが、表情は実に人間的。
ベッソンはリアルな人間世界を実写に、ミニモイの世界をマペットに、と線引き。おかげで純粋な子どもだけが触れることのできる「庭先にあるファンタジー」の完成。あらゆるエンタメに挑戦するベッソンのベッソンたる所以だ。
架空の妖精ミニモイの世界を救い初恋も成就。一方リアルパートでも立ち退きの危機を救う。この「出来過ぎ感」、児童文学でも原案にしているのかと思いきやベッソンのオリジナルだという。型にとらわれない想像力はクリエイターの武器だ。
当時、天才子役として引っ張り凧だったフレディくん。半分くらいはミニモイの少年としての「声の出演」。近ごろはドラマシリーズ「グッドドクター」で活躍中。吹替版は神木隆之介が担当。ミアさんがおばあちゃんとしては若見え。
小さいミニモイたちのヴォイスキャストが豪華。ヒロインのプリンセス役にマドンナ。その父王にロバート・デ・ニーロ。ギャング役にラッパーのスヌープ・ドッグ。ヴィラン役にデヴィッド・ボウイ。驚きのビッグネーム揃い。
不思議な冒険をしてプリンセスと恋におちて子どもが大人を救う…キッズムービーの王道パターン。苦手克服系のシークエンスがないのでアーサーの一人勝ち感はある。テーマ性も薄いのだが、子どもには説教臭くなくてよいのかもね。
前述「ダーク・クリスタル」のリアルマペットの表情は意外と怖かったりした。CGマペットになると人間味があって暖かい。映画の可能性は無限大だ。
DATA
監督・原作・脚本・製作:リュック・ベッソン/脚本:セリーヌ・ガルシア/音楽:エリック・セラ
出演:フレディ・ハイモア/ミア・ファロー/ペニー・バルフォー/ダグ・ランド/ロナルド・クロフォード/ジミー・ファロン/スヌープ・ドッグ/ジェイソン・ベイトマン/マドンナ/デヴィッド・ボウイ/ロバート・デ・ニーロ
hiroでした。