WOWOW鑑賞

山本舞香の起用は正解!

東京喰種 トーキョーグール【s】


人肉しか食べられない突然変異の人類・喰種(グール)が人間に紛れて密かに暮らしている世界。ある事故で半喰種となってしまった人間の青年・カネキ(窪田正孝)は人類と喰種の共存を願う芳村(村井國夫)、トーカ(山本舞香)らに助けを借りて暮らしていた。そんな折「美食家」を名乗る喰種・月山(松田翔太)がカネキに興味を抱き接近する。


ゾンビは平気だけど食人は苦手。原作は途中まで読んでたので知ってたけど、アクション要素もふんだんで窪田くんは応援俳優。なので前作はスクリーン鑑賞。その続編。キャストの変更等バタバタがあったのでなんとなく回避してて今回初見。

本作の根底にあるテーマは差別。多数派と違った考えや習慣を持つマイノリティは抑圧され、潜み、やがて怒る。「人を喰う」となると極端だが、差別の構図は現実世界と変わらない。ある日突然被差別側になった青年が両者の間で心揺れる。


女優側の問題でヒロインの交代があったが、新キャスト山本舞香のハイスペックな身体能力で「むしろ良くなった」かと。苦手な食人表現も前作より薄いせいか、一層アクションがブラッシュアップ。僕にとっては見やすくなった気がする。

一方で喰種たちの苦悩がマイルドになったことも否めない。生きるために食べる。そのために人を殺めてもいいのか。多くの喰種がそこに悩み、そこから逸脱した喰種が暴走する、という設定。暴走する喰種(=悪)のエピソードなのでこればかりは。


元々アクション俳優ではない窪田くん。このシリーズは頑張っていて、本作、かなりサマになった感。山本師匠に鍛えられたか。その山本師匠、マヂな空手家というのは有名な話。それだけにアクションに釘付け。ワイヤーが邪魔なくらい。

翔太がヴィラン。演じたキャラは原作でもイヤなヤツだったが、翔太がやってもやっぱりイヤなヤツ。鈴木伸之桜田ひより柳俊太郎ら続投キャストは顔見せ程度。同じく続投白石隼也は思ったよりも出番が多かった。今旬の森七菜がいたのでビックリ。


躊躇せずにスクリーン鑑賞でも問題なしだったんだけどね。ちょうど読んだところまでだったし、原作の中でも一番好きなシーン(この上の画像)もあったし(笑)。このシーン、どこか艶めいてるんだよね。喰ってるシーンなのにさ。

本作の基本テイストは薄まったが、映画としては観やすくなった。続編ありなら、原作と並行して観るのが良いのかも。僕は原作、途中でやめちゃったけど。


 DATA

監督:川崎拓也/平牧和彦/脚本:御笠ノ忠次/原作:石田スイ
出演:窪田正孝/山本舞香/松田翔太/森七菜/白石隼也/木竜麻生/鈴木伸之/桜田ひより/小笠原海/柳俊太郎/知英/マギー/新田真剣佑/坂東巳之助/村井國夫


hiroでした。