WOWOW鑑賞

マイブーム芳根京子が右肩上がり!
今日も嫌がらせ弁当

夫(岡田義徳)を亡くした後、1人で2人の娘を育ててきたかおり(篠原涼子)。長女(松井玲奈)が高校を卒業して独立し、今は次女双葉(芳根京子)と二人暮らしだが、年頃になった双葉は反抗的な態度をとるようになる。怒ったかおりはクールキャラの双葉が嫌がる可愛いキャラ弁を毎日作っては持たせるようになる。


当ブログも毎度お世話になっているAmebaブログさんの「kaori(ttkk)の嫌がらせのためだけのお弁当ブログ」が話題となり、出版され、そして映画化。テレビでも活躍する塚本連平監督による軽妙タッチのホームコメディを初見。

「軽妙」と書いたが本作、相当に軽い(笑)。映画作品として大作でも名作でもない。が、その辺狙いではない…たぶん。ブログネタなので却ってテレビっぽい演出がフィット。書籍ネタの「体脂肪計タニタの社員食堂」が近いと思った。


この「今日も嫌がらせ弁当」は「親と子」と「反抗期」の2つの主菜が詰め込まれた、なかなか豪華なお弁当。反抗期というのは理由も解決策も明確でないわりに、その苦さは多くの人が知っている。弁当食材としては最適ではないか。

この「お弁当」を、ただ空腹を満たしたり栄養摂取したりするだけでなく、親子のコミュニケーション・ツールとして活用しているのが本作のツボ。メールやLINEとも違う、手紙に近い手の温もりだ。主人公家族の歴史に由来しているところが秀逸。


クールな役が多い涼子ちゃん。「人魚の眠る家」に続く母親役だがキャラクターは真逆。年齢相応に役幅を広げてきた。W主演の京子ちゃん。「ふつうっぽさ」の中に光る確かな演技力。近頃のマイブームで株価急上昇。この子まだまだ伸びるよ。

48グループの中で認識できる最後世代SKE松井玲奈が姉役で大放出。父役ヨッチャンこと岡田義徳を回想と写真のみという贅沢。佐藤隆太はブログのフォロワー役で色を添える。ブログを介していても縁は縁。いろんな出会いがあっても良い。


脳梗塞は「初期」ではなく「軽度」だろ、などと突っ込み(さすがにあのラストは脳梗塞をなめすぎ)ながらのんびり鑑賞。「親が意味なくウザい頃あったな」と懐かしみつつ、まさに今ウザがられてるかもしれない自分にも警鐘(笑)。

ウザがられようが愛し方は人それぞれ。愛し方のバリエーションが少なければ仕方なし。作中の双葉はちゃんとわかっているからいい子。だって文句言いながら全部食べてるんだもんね。


監督・脚本:塚本連平/原作:Kaori(ttkk)
出演:篠原涼子/芳根京子/松井玲奈/佐藤寛太/村上知子/岡田義徳/佐藤隆太


hiroでした。