NETFLIX鑑賞

ダークな世界観がしっくり
コンスタンティン

幼い頃から人間以外の存在が見えてしまうジョン・コンスタンティン(キアヌ・リーヴス)は自殺を図った過去を拭うためエクソシストとしてヘネシー神父(プルイット・テイラー・ヴィンス)と共に人間界に姿を現す悪魔を祓っていた。そんな折、妹が自殺した刑事アンジェラ(レイチェル・ワイズ)が接近。妹は自殺じゃないと信じる彼女はジョンに捜査協力を依頼する。


DCコミックを原案に実写化した本作を初見。キリスト教をベースにした世界観。天国と人間界と地獄の三層構造がわかりやすい設定。その生真面目さとゴシックホラーの禍々しさに「これがコミックなの?」と不思議な感覚。

とにかく「陰」。主人公からして「地獄行き」確定と言う自殺未遂者である。人間界を救うための悪魔退治かと思えば天国行きのための点数稼ぎである。前向きのカケラもなし。ダークがウリのDCとはいえコミックらしからぬストーリーが展開。



この「陰」が実は映画としてしっくりきたりする。悪魔と対峙するエクソシストとその仲間。我々のすぐそばに潜む悪魔。その悪魔に魅入られた刑事。不穏な空気を維持したまま最終決戦へ。スーパーネガティヴエクソシストヒーロー降臨(笑)

「欲」の悪魔マモーンが人間界の脅威となるのも宗教的。欲に駆られた人間に「魔がさす」のは悪魔の仕業。人間の悪行は外的要因だという。民族的な宗教意識が希薄な我々(持っている方もいるけど)にはピンと来ないかも。


2005年のキアヌといえば「マトリックス」シリーズ終了直後。ピーク時の出演ながらなかなか地味な役。この後スランプ気味になるのだが…。相棒のレイチェルはご存知ダニエル・クレイグ夫人。双子役の本作、ちょっとだけ二役。

あっとびっくりシャイア・ラブーフ。「トランスフォーマー」以前だからブレイク前だね。ジャイモン・フンスーは芸歴長かったのね。ルシファー(=サタン)役ピーター・ストーメア、ガブリエル役ティルダ・スウィントンが見事にハマる。


もっとワシャワシャしてるのかと思ったら、いたってシンプル。極めて宗教的な世界観だが、あくまで背景。説教的なネタ撒きやオチはなし。気楽に観れるエンターテインメントだった。

悪魔や天使たちがカッコいいのは、この手の作品アルアル。ティルダさんホントカッコいいもの。


監督:フランシス・ローレンス/脚本:ケヴィン・ブロドビン/フランク・カペロ/原作:ジェイミー・デラノ/ガース・エニス
出演:キアヌ・リーヴス/レイチェル・ワイズ/プルイット・テイラー・ヴィンス/マックス・ベイカー/シャイア・ラブーフ/ジャイモン・フンスー/ギャヴィン・ロズデイル/ピーター・ストーメア/ティルダ・スウィントン


hiroでした。