WOWOW鑑賞

KとJの逆転でSF濃度増量
メン・イン・ブラック2

地球人女性の姿をコピーした異星人サリーナ(ララ・フリン・ボイル)がピザ屋の店主を殺害。MIBは25年前に起きたある事件と関わりがあると推理。ところが当時の事件の真相を知る人物のうち生き残っているのは記憶を消して引退したK(トミー・リー・ジョーンズ)のみ。彼の記憶を呼び覚ますため、元相棒のJ(ウィル・スミス)がKの元を訪ねる。


未レビュー作品の再見。2002年なので前作から5年か…思ってたより間が空いてたんだなと。再び訪れる地球の危機。ところがカギを握るKが不在。Kの復活、そしてJとのコンビ再結成なるか、という続編。MIBといえばやはりこの二人、ってこと。

単なる再結成モノとは勝手が違う。前作で物語を回したJ。今回はエージェントスキルを上げてバックアップの立ち位置に回る。逆に記憶のないKがメインになって話を回す。前作ラストでKが去った後を受けた2人の関係性の逆転設定はうまい。


しかし、逆転ゆえにJのボケが激減。前作1人ボケだっただけに随分と空気が違う。Kや新犬(笑)エージェントF(パグ)が総がかりで笑いをとりにいくものの、却ってボケとツッコミが混乱。面白くはあるのだが、落ち着きはなくなったかも。

その分、SF作品としてのストーリーには注力。敵ボスのサリーナがコッテリ濃厚キャラ。さらにヒロインのローラ(ロザリオ・ドーソン)がガッツリと事件に食い込みストーリーに厚み。CGも増量して被ってないエイリアンが大挙出場。


スミスは人気も安定して小慣れてきた頃か。そつがなさすぎてキャラもマイルド。やや物足りない。一方のジョーンズさんの振り幅には改めて拍手。何が飛び出すかわからないワクワクをスクリーン越しに感じさせるのだから職人芸。

ロザリオさん、最初はハル・ベリーかと思った。ボスZ役リップ・トーンは前作から3まで完投。昨年7月に亡くなられ、星になられたのだそうだ。マイケル・ジャクソンはご本人。劇中のエージェント志願はスピルバーグに出演志願したエピソードから。


前作のヒットを受けてのパート2。制約のあるなかまとまってたかと思う。説明部分が少ない分、物語も練られてるよね。前作ありきなので、どっちがいいとかないんだけど、コメディ好きな人は1、SF好きな人は2…かな。

パート3はさらに10年後。これがまた泣かせてくれるので大好き。これでシリーズレビュー、コンプリート。


監督:バリー・ソネンフェルド/脚本・原案:ロバート・ゴードン/脚本:バリー・ファナロ/製作総指揮:スティーヴン・スピルバーグ
出演:トミー・リー・ジョーンズ/ウィル・スミス/ララ・フリン・ボイル/ロザリオ・ドーソン/マイケル・ジャクソン/リップ・トーン


hiroでした。