走れ！Ｔ校バスケット部

WOWOW観賞

「志尊淳」を活かしきった良作！
走れ！Ｔ校バスケット部

バスケットボールの強豪校に入学しながらも部員のいじめや学校の隠蔽体質に嫌気がさして退学した陽一（志尊淳）。転入した多田野高校では父（椎名桔平）との約束を守り部活をやっていなかったものの、陽一の素性を知ったバスケット部マネージャー浩子（早見あかり）やキャプテン俊介（佐野勇人）らの誘いで密かにバスケットを再開する。


初見。松崎洋の実話ベースの小説がコミックになり、映画になり。よくあるバスケのスポ根で恋愛モノのキラキラ作品かと思いきや、冒頭から重い。助けた友達にも裏切られ、なんてもう、かける言葉も見つからないよね。

シングル父も「一生懸命」。なので「迷惑かけた」と思ってる息子は余計に遠慮。そういう親子の関係が丁寧。強豪バスケ部顧問が某アメフト監督を連想するクソなんだけど、大人が悪いと一括りにしてないところも良い。


いろいろあって先に進めなくなってしまった人に対するメッセージ。辛い場所にいても何も変わらないなら、自分が自分でなくなるなら、勇気を出して飛び出して良い。君が君でいられる場所は必ずあるから、という。

主人公を導くスピリチュアルなキャラやＴ校バスケ部が「絆」だけで突然強くなるのは力技だが、主人公に寄り添った優しい作品。キラキラした恋模様がないのも好感。同じバスケ作品「春待つ僕ら」より良い。


戦隊ヒーローでブレイクした志尊淳。出身はD-BOYSなのは初めて知った。「テニスの王子様」など舞台経験も豊富。まだまだ伸びしろがありそうで楽しみ。EXILEファミリー佐野くんは顔も演技も個人的に苦手。

早見あかりは元ももクロ、「キングダム」の阿見201は元芸人、「娼年」の真飛聖は元宝塚。YOUは元FAIRCHILD（笑）。竹内涼真と千葉雄大はゲスト。竹中直人は「ウォーターボーイズ」みたいなキャラだった。


丁寧すぎるのが正直物足りなくはある。が、派手さを削いだ真摯さは高評価。バスケ部を超豪華若手イケメン俳優で揃えてないのも、本当に観てもらいたいのは誰なのか、がよく伝わる。

イケメンだが柔らかさを持つ志尊淳というアイコンをうまく活かした思いの外（失礼！）良作。狙った落としどころには落ちてるようなので、あとは観る人の好み。


監督：古澤健/脚本：徳尾浩司/原作：松崎洋
出演：志尊淳/佐野勇人/早見あかり/戸塚純貴/佐藤寛太/鈴木勝大/西銘駿/阿見201/真飛聖/竹内涼真/千葉雄大/竹中直人/YOU/椎名桔平


hiroでした。