NETFLIX鑑賞

歌うことは難しいことじゃなく〜♪
夜明け告げるルーのうた

寂れた漁港の町に住むカイ(下田翔太)は東京育ちの中学三年生。音楽を聴いている時以外はつまらない日々を過ごしている。同級生の遊歩(寿美菜子)と国夫(斉藤壮馬)にバンドに誘われ困っている時、音楽が好きな人魚ルー(谷花音)と出会う。ルーと繋がるためにバンドに入るが、ルーの存在が町の人々に知られてしまう。


初見!「観たい!」と思ってて観られなかった本作、やっと観れた。寂れた漁港の町の船屋の一室でビートが刻まれる。予測に反してポップでアート。PVのようにストーリーよりもイメージ優位。

では、ストーリーなしなのか。いやいやちゃんとしたストーリーの上に乗っかってるものだから心憎い。15歳という「進路」を迫られる少年少女の成長の物語。15歳は青春最強エイジだものね。


人との触れ合いを避けてきた主人公は人魚と出会って変わる。人と人魚、人と人。それを繋ぐのは音楽だ。「いつもなら 照れくさくて 言えないこと」も音楽なら伝えられる。斉藤和義の名曲が滲みる。

クールでもカワイイでも、リアルでもデフォルメでもなく、うまいとかヘタとかでもないキャラが音楽に乗る人間味のない動き。これは音で見た世界。ルーの世界であり、もしかしたら湯浅監督の世界なのかも。


カイ役翔太くんは「くちびるに歌を」で渡辺大知の弟役で注目。ルー役花音ちゃんは「君の名は。」の四つ葉役で舞台にも多数出演。2人とも2020年の時点でまだ10代。有望株よね。ルーのパパは柔道の篠原信一さん。

アニメ制作会社サイエンスSARUの代表湯浅政明が監督。劇場版「クレヨンしんちゃん」を経て「夜は短し歩けよ乙女」で一躍脚光を浴びた。ハマりそうな予感。脚本には大好き作品「聲の形」の吉田玲子。


歌と踊りとファンタジーでアドベンチャーに初恋にも似た切なさ。思春期だったらなんでもあり。なにせ最強だから。

ルーはポニョ? パパはトトロ? いやたしかに似てるけども(笑)。


監督・脚本・製作:湯浅政明/脚本:吉田玲子/音楽:村松崇継
出演:谷花音/下田翔太/寿美菜子/斉藤壮馬/鈴村健一/菅生隆之/チョー/佐々木睦/伊藤静/青山穣/篠原信一/柄本明


hiroでした。