NETFLIXオリジナル作品

オスカー監督ポン・ジュノの配信作品
オクジャ/okja

グローバル企業ミランドのCEOルーシー(ティルダ・スウィントン)は新種のスーパーピッグを食肉用に繁殖しようと各国の畜産家に子豚を10年預けて大きさを競わせた。チャンピオン豚は韓国のオクジャ。祖父と2人で飼育したミジャ(アン・ソヒョン)はオクジャと友達のように仲良くなるが、彼らのもとにミランドからウィルコックス博士(ジェイク・ギレンホール)がやってきた。


アカデミー賞で旋風を巻き起こした韓国人監督ポン・ジュノ。NETFLIXとブラッド・ピット率いるPLAN Bが彼を支援して2017年に製作したのが本作。CGを贅沢に使った劇場作品並みのスペックの配信作品を鑑賞。

話の流れはスピルバーグ的。こういうタイプの作品が「E.T.」っぽくなるのは宿命(笑)。少女と巨大な豚が遺伝子操作を隠蔽している企業と戦うファンタジーアドベンチャー。謎の組織も介入しての奪還劇。



ただし「パラサイト」でも「格差社会」という政治問題を風刺していたポン・ジュノ。本作にもやはり風刺。動物愛護の潮流がある一方で畜産農家で続けられる経済動物の繁殖。我々はその是非を問いかけられる。

人間の都合で交配されたのが「家畜」。我々はその「動物」を焼肉やトンカツとして口に運ぶ。それを阻止せんとする動物愛護団体。気持ちはわかるけども、じゃあ焼肉はもう食べないのかと言われると「NO」としか。



主演のアン・ソヒョンは元気ハツラツ少女を熱演。ティルダさんは「スノーピアサー」、ピョン・ヒボンは「グエムル」とポン・ジュノ・ファミリー集結。「パラサイト」のチェ・ウシクもカメオ出演。

最近、誘拐犯の容疑者役を見たばかりのポール・ダノがいい役もやるんだと加点。ギレンホールはコメディも良いことを発見。「ウォーキング・デッド」のグレン役スティーヴン・ユァンがいたのが何気に嬉しかった。



結末を見ればスタッフが想定した「正解」は明白。偏り気味なのはNETFLIXらしい。ただし、そこはエンタメ。アドベンチャーを楽しみながら「食糧経済」についても少し考えてみよう。

オクジャは明確に「豚」という設定なので、宣伝にある「巨大生物」には違和感。


監督・製作・脚本:ポン・ジュノ/脚本:ジョン・ロンソン
出演:アン・ソヒョン/ティルダ・スウィントン/ポール・ダノ/ジェイク・ギレンホール/ピョン・ヒボン/リリー・コリンズ/シャーリー・ヘンダーソン/スティーヴン・ユァン/チェ・ウシク


hiroでした。