5本目(2月4日鑑賞)

今度のダニエルはポアロ風味
ナイブズ アウト
/名探偵と刃の館の秘密

監督・脚本・製作:ライアン・ジョンソン
出演:ダニエル・クレイグ/アナ・デ・アルマス/クリス・エヴァンス/ジェイミー・リー・カーティス/マイケル・シャノン/ドン・ジョンソン/トニ・コレット/キャサリン・ラングフォード/ジェイデン・マーテル/エディ・パターソン/レイキース・スタンフィールド/フランク・オズ/クリストファー・プラマー

ニューヨーク郊外の屋敷でミステリー作家ハーラン・スロンビー(クリストファー・プラマー)が誕生パーティーの翌朝に遺体となって発見される。娘のリンダ(ジェイミー・リー・カーティス)、息子のウォルター(マイケル・シャノーン)、孫のランサム(クリス・エヴァンス)、看護師で家族同然のマルタ(アナ・デ・アルマス)らパーティー参加者への警察の聴取が始まるが、ある人物から依頼を受けた名探偵ブラン(ダニエル・クレイグ)もそこに立ち会っていた。


スマホを使うし、移民問題もネットフリックスもありなので設定は現代。なのに懐かしさを醸しているのは「探偵」の存在。難事件を解決する古典的な探偵というのはいるだけで空気を作る強力なアイコンだ。

原作なしのオリジナル。群像劇で殺人事件なのにどこかのんびりした空気があるのはアガサ作品のよう。探偵ブランも「007」のボンドや「ドラゴンタトゥーの女」のミカエルとも違う「ポアロ」感を漂わせる。


そのポアロ風ブランが「初めからお見通し」的に事件の真相に迫る。「それ先に言ってよぉ」と反応してたらミステリーを観る資格はないよね。アクションも裸体も封印のダニエルが体重増量気味で洒脱に好演。

ブレードランナー2049」で世界中を虜にしたアルマス。ここでもミステリー的にもコメディ的にも極めて重要な特技(笑)で本作のキーマンに。その使い方も配置も絶妙で…あーあんまり言えないな。


キャップ卒業のクリエヴァはヒーローNGワード連発。キャラオチなので声出して笑いましょう。冒頭で死んじゃうプラマーだが、再現で出ずっぱりなのでプラマー濃度は高い。そういう演出もアガサっぽい。

カーティスはじめ家族の面々がミステリーアルアルな胡散臭い人々。よく見るとシャノーンだったりドン・ジョンソンだったりトニ・コレットだったり案外豪華。あのフランク・オズも顔出しで登場。


ミステリー映画のいろんな手法を混ぜ込んでくる構成。どのパターンなのか混乱させるのも監督のトラップ。真相はありがちではあるが、オリジナル脚本でアンサンブルキャストをまとめた手腕は評価。オチはコントか。

この手の緩めの作品でアカデミー賞ノミネート(脚本賞)は珍しい。授賞式が楽しみ。先頃、続編の噂も出始めたもよう。実現するならレディ・ワトソンの登場を希望。



hiroでした。