WOWOW鑑賞

理解しようとすること
20センチュリー ウーマン

監督・脚本:マイク・ミルズ/音楽:ロジャー・ニール
出演:アネット・ベニング/ルーカス・ジェイド・ズマン/エル・ファニング/グレタ・ガーウィグ/ビリー・クラダップ/アリア・ショウカット/ダレル・ブリット=ギブソン/アリソン・エリオット

シングルマザーのドロシー(アネット・ベニング)は家の空室を下宿として貸していた。子宮頸がんと診断された写真家アビー(グレタ・ガーウィグ)、バツイチ大工のウィリアム(ビリー・クラダップ)の下宿人にジェイミー(ルーカス・ジェイド・ズマンの幼馴染ジュリー(エル・ファニング)を加えた、世代も性別も違う面々に囲まれ、それぞれに理解を示すドロシーだがジェイミーのことだけは理解できずにいた。


会社の若い子と話してると結構古いことも知ってるので驚く。そこで「案外ギャップないじゃん」と安心すると危険。こっちが歳いってくると、若いほうが気遣いで寄せてくる。「ギャップがない」のはきっと勘違い。

そこに胡座をかいてると若い世代に足元を見られる。あっちが寄せてきたら、こっちも寄せてあげればいいだけ。媚じゃないし、そもそも勝ち負けでもない。こっちの寄せを拒絶する相手なら、逆に足元を見てやればいい。


本作、ジェネレーションギャップの話。よく言う「昭和と平成」みたいな。主人公は若者に理解ある20世紀ウーマン。でも我が子となると自信がなかったりする。「時代が違う」とわかっていても割り切れないものね。

これは、母であり妻である方には共感する部分のひとつやふたつあるんじゃないですか。全部でなくて、あんなとこやこんなとこ。あぁ、そこわかるーって。結論は「理解はしてても納得はいってない」ってところかな。


主演のベニングは進歩的に見える女性の「躊躇」を好演。公開時は「キャリア中ベストの演技」と絶賛された。オスカーノミネートされたミルズの脚本がピタリとハマったか。

エルは共演陣の中でも名声・人気共に目をひく。「レディ・バード」で監督としても注目されるグレタ、ベテランのクラダップも脇を締め、経験浅いルーカスをサポート。


理解しているようで、実は一部分しか理解できてなかったりする。家族でも、親友でも、全部を理解するのは困難。ただ、理解しようとする努力は大切だと思う。自分を「誰も理解してくれない」と思うと悲しいから。

人生はビギナーズ」で実の父をモデルにしたミルズ。本作も主人公は実の母、写真家アビーは実の姉がモデルなんだそうです。



hiroでした。