1本目(1月15日鑑賞)

 
父の道、師の道、自分の道
クリード 炎の宿敵
 
監督:スティーヴン・ケイプルJr/脚本:シルヴェスター・スタローン/ジュエル・テイラー/製作総指揮:ライアン・クーグラー/マイケル・B・ジョーダン/ガイ・リーデル
出演:マイケル・B・ジョーダン/シルヴェスター・スタローン/テッサ・トンプソン/ウッド・ハリス/フロリアン・ムンテアヌ/フィリシア・ラシャド/ドルフ・ラングレン
 
タイトル戦に勝利しチャンピオンになったドニー(マイケル・B・ジョーダン)は、その夜恋人ビアンカ(テッサ・トンプソン)にプロポーズし結婚する。その頃、ドニーの父アポロを死に追いやったドラゴ(ドルフ・ラングレン)の息子ヴィクター(フロリアン・ムンテアヌ)がドニーへの挑戦を表明。因縁の対決に周囲が沸くなか、かつてドラゴに挑み勝利したロッキー(シルヴェスター・スタローン)は試合に反対する。
 
 
同じ道を行く背中がある。その人を愛し、越えたくて、同じ道を歩んできた。それでもその人は振り返らない。近づいても近づいても追いつくことのない背中。
 
人それぞれに道はある。同じ道などひとつもない。
 
同じ方向に向かっていても、歩く理由も歩く速度も違う。歩く理由を見つけ、自分の道を見つけた時、きっと平行して進む道のその人の背中に追いつける。
 
 
迷い、立ち止まっていたドニーがようやく見つけた道。それは偉大な父の歩んだ道。父の盟友ロッキーの助けで一歩を踏み出したドニー。本作、父も師も手にしたチャンピオンベルトを掴み取るところから始まる。
 
師は何度も問いかける。「何のために闘うんだ」と。父のためでも母のためでもない。自分のために闘えと。「道」は「人生」。自分のために闘ったときに「自分が歩むべき道」が見えてくる。
 
 
エンタメ傑作「ロッキー4炎の友情」からラングレン再降臨。オールドファンの歓喜。あのキャラの登場はサプライズ。
 
ジョーダンに「ファンタスティック4」の青さはもうない。あるのは獣のような強靭さ。「ブラックパンサー」キルモンガーとドニーがかぶる。テッサはミュージシャンでもあるとか。納得。フィリシア・ラシャドも続投。
 
気になるスタローンの去就。「君の時代だ」と言ってリングに上がらなかったロッキー。スタローンも参加した脚本はロッキーを一歩も二歩も引かせている。これはつまり…。
 
 
前作で大興奮。父が残した「運命」という遺産。「俺は誰だ」という問いかけ。このシリーズは問いかけでできている。本作は「なぜ闘うのか」だ。
 
「闘う理由」は宿敵ドラゴの親子にもある。負ければすべてを失うから。ラストマッチでの苦悶は秀逸。彼らの腑に落ちるオチがほしかった。スピンオフ希望。
 
耳の件だけは気になった。ビアンカの心配はわかる。ドニーの対応やセリフは正しいのだろうか。「どっちだって愛にかわりはない」…嘘でもそういってほしい。
 
 

hiroでした。
 
 
 
脚本6 映像8 音響9 配役7 音楽6
36/50