WOWOW鑑賞

冒険ファンタジーにワクワク!
ソング オブ ザ シー 海のうた

監督:トム・ムーア/脚本:ウィル・コリンズ
出演:デヴィッド・ロウル/ブレンダン・グリーソン/リサ・ハニガン/フィオヌラ・フラナガン/ルーシー・オコンネル

大好きだった母(リサ・ハニガン)を失い、父(ブレンダン・グリーソン)と妹シアーシャ(ルーシー・オコンネル)の三人で灯台で暮らすベン(デヴィッド・ロワル)。シアーシャが誕生日の夜に母が残したコートを着て海を泳いだ翌朝、町に住む祖母(フィオヌラ・フラナガン)が子供たちを海から遠ざけるために2人を連れ出す。残してきた犬のクーが心配なベンはこっそり祖母の家を抜け出すがシアーシャも一緒についてくる。


アイルランドのアニメーション。

感想前に予備知識。物語のキーワード「セルキー」とはスコットランドなどの民間伝承に登場する海の種族。アザラシが皮を脱いで人の姿で陸に上がるといわれている。

各地で様々な伝承があるが、人との恋物語がほとんど。ホラーまがいのエピソードもあるとか。マーメイド、セイレーン、マーマンとの類似点が多い。日本では馴染みがない。


ヨーロッパでは誰もが知ってるセルキー。お察しのとおり、ベンの母はセルキーである。人との間に2人の子をなす。この2人が物語をリード。

道徳話かと思いきや、想像を超える冒険ファンタジー。捕らえられた妹と妖精の世界を救うために少年は立ち上がる。


どこか懐かしいタッチのキャラだけど動きは滑らか。現代ヨーロッパ設定のなかにそれがいるのが新鮮。

絵本のような背景は近年アニメの奥行きはないけど、どこまでスクロールしても絵がありそうな広がりがある。

アートアニメにくくるほど難解でなく、むしろ子どもでもわかるシンプルさ。アカデミー賞ノミネートも納得。


シアーシャなんて大っキライ!…なんて言ってた意地悪なお兄ちゃんは、いつしか立派なお兄ちゃんに。

一夜の冒険が少年を成長させる、ヨーロッパの羽衣伝説。和むアニメーションなのにワクワク。



hiroでした。