37本目(7月30日鑑賞)

 
10年間の積み重なった想い
劇場版
コード・ブルー
ドクターヘリ緊急救命
 
監督:西浦正記/脚本:安達奈緒子/音楽:佐藤直紀
出演:山下智久/新垣結衣/戸田恵梨香/比嘉愛未/浅利陽介/有岡大貴/成田凌/新木優子/馬場ふみか/新田真剣佑/山谷花純/丸山智己/平野生成/安藤政信/椎名桔平/かたせ梨乃/杉本哲太
 
乱気流によるトラブルで戻ってきた旅客機に多数のけが人が発生。ドクターヘリ要請に白石(新垣結衣)ら救命医チームが空港に向かうと偶然空港にいた藍沢(山下智久)が先行して救命に当たっていた。搬送されたけが人のなかに抗がん剤治療中と思われる若い女性(山谷花純)がいた。
 
 
テレビシリーズからの通しの大ファン。前シーズン終了時の劇場版告知から待ちに待った本作を鑑賞。
 
率直な感想。ドクターヘリにかかわる人々のお仕事ドラマ。ドラマ中心ゆえ演出がテレビサイズのそのまま。事故現場は空港、海ほたると規模は大きいものの扱いは大きくなく、スクリーンサイズのスケールメリットが生かされていない。
 
…つまりテレビドラマのまま作った感じ。
 
 
でもね、いいのよ、これは。『海猿』ではなくあくまで医療ドラマ。人の人生や死に向き合うドラマ。被害者のサイドストーリーに自分を重ね合わせたり、かかわったりするドラマ。
 
「映画!」と気張りすぎず、テレビシリーズのテイストがよく出てたと思う。テレビ版3本くらいの濃度だったかな。逆にパニック映画になってたら、それもまた違う気がするし。
 
 
10年なんだねー。ラストとは銘打ってないけど、それぞれの道に進んで一区切り。白石中心に続編ができたとしても、若手組でも面白いんだろうけど、別物だものね。
 
今回は「家族」がテーマ。結婚して家族になろうとする者。親との確執に悩む者。それぞれ患者側と医療側とでリンクしていて、なかなかうまい。ちゃんと泣けたし。
 
 
今は誰かのための医者でありたい。
私の救命を作ろうと思う。
俺も迷いながらやっている。
今は俺がお前になりたいと思う。
 
10年の時間に上塗りされた金言の数々。ひとつひとつのセリフの持つ意味が、ドラマを知る人知らない人でまったく違う。ファンムービーだけど、ファンじゃない方には申し訳ないけど、ファンだからビシビシ来た。
 
 
若い頃は仕事でたくさんのドクターにお会いした。みなさんホントによく働かれている。朝から夜中まで、研究してオペして外来に出てインタビューを受けて公演までなさる。著名になるほど忙しい。悪徳医師というのはお会いしたことがない。
 
求めている者に自分のできること、知っていること、持っている技術を提供する。どの仕事も同じ。そう考えてhiroも走り続けてきたから、このドラマは共感しかなかった。
 
 
人は同じ時間にとどまれない。彼らは自分の道を歩み始めた。hiroも以前のようには走れなくなった(笑)。それでも、全力で走った時間を一度でも過ごした経験は大きい。不平不満、権利だけは主張する人は多い。もっとやれば、もっと速く走れるのに、もっと高く跳べるのに。
 
あっという間の2時間…いや10年間。「お前たちは俺の…」藍沢が仲間に贈った一言に涙が溢れた。藍沢が手を伸ばしても届かなかったものがそこに。

 
 
hiroでした。
すいません。レビューになってません。
 
 
 
脚本8 映像7 音響8 配役10 音楽9
42/50←甘いと思うがしょうがない