WOWOW鑑賞 ディープにKシネマ③

 
宗教的な説話…かしら?
哭声/コクソン
 
監督・脚本:ナ・ホンジン
出演:クァク・ドウォン/國村隼/ファン・ジョンミン/チョン・ウヒ/キム・ファ二
 
のどかな農村コクソンに不審死が続発。交番勤務の警官ジョング(クァク・ドウォン)は山に住みついた日本人の男(國村隼)の犯行だとの噂を聞きつける。同じ頃、一人娘のヒョジン(キム・ファ二)が高熱を発する奇病にかかり、有名な祈祷師(ファン・ジョンミン)に相談することする。
 
 
恐怖は伝播する。
 
公開時大好評。怖いとか、後味が悪いとか、國村隼が凄いのだとか。が、内容が想像つかない。ホラーなのか、ミステリーなのかも判明しない。曖昧模糊のまま鑑賞。
 
答えは出さないパターン。難解だが、要は噂に端を発する「恐怖」なのだろう。そして映画の評判も物語さながら瞬く間に伝播した。
 
 
韓国映画に明るくないので國村さんしか知らない。その國村さん、裸で山を駆け、鹿を喰い、目を血走らせる怪演。多くの韓国の方がご覧になったとか。國村さんの名、深く刻み込んだな。
 
トップ画の4人が上島竜兵、村上淳、井上真央に見えた。主演が竜ちゃんだと、怖い話でも安心できる。韓国映画なのにほぼ「笑」がないのは意外。
 
 
冒頭の聖書からの引用は謎解きヒントのようでもあり、関係ないようでもあり。3人の怪しい人物。自分の家族にも飛び火。焦る。その緊張感は韓国映画の得意分野。
 
なのに、警察捜査の気配がなく制服警官の独自捜査のみ。令状なしの不法侵入。パスポート確認だけで身元調査もしない。話は聞かない。危険な状態の娘を隣人に預けて家を開ける。…なんかイライラして集中に欠けた。
 
 
見方を変える。これは単なる宗教的な説話なのではと。そう観てみると案外腑に落ちる。ただ、それでも答えはない。「神様の悪戯」というオチなのか?
 
答えは観た人がご自由に…らしいので、以下はhiroのネタバレ見解です。未見の方はこの辺で。
 
 
 
hiroでした。
 
hiroはこう考えた
事件ではなく事故。健康食品に使った毒キノコによる幻覚(ニュース映像もあった)。「男を見た」のも健康食品屋だったし。で、幻覚の噂を信じてしまった一種の集団ヒステリー。そこに悪魔的要素を組み込むと日本人も祈祷師も目撃者も皆、悪魔に魅入られた人間。なので正常な時と「憑かれた」時が別人のよう(目撃者だけ当てはまらないんだよな〜)。
捜査してない(ように思える)ことの不安が噂を信じさせる。信じてしまうと本質を見誤る。「言っても信じないだろ」…日本人の発した言葉は「神の言葉」だったかもしれない。
神と悪魔は同じ(または近い)もの…ホラーでよく使われる解釈。この辺が本作の本質なのではないのかな。
…とホラー素人は思うわけです。正解はないので個人的な解釈だけども。