32本目(6月15日鑑賞)

見方を変えることはできる
ワンダー 君は太陽

監督・脚本:スティーヴン・チョボスキー/脚本:スティーヴ・コンラッド/ジャック・ソーン/音楽:マーセロ・ザーヴォス/原作:R・J・パラシオ
出演:ジェイコブ・トレンブレイ/ジュリア・ロバーツ/オーウェン・ウィルソン/イザベラ・ヴィドヴィッチ/ダヴィード・ディグス/マンディ・パティンキン/ソニア・ブラガ/ダニエル・ローズ・ラッセル/ナジ・ジーター/ノア・ジュプ/ブライス・ガイザー/ミリー・デイビス/エル・マッキノン

遺伝子疾患のために骨格がうまく形成されずに生まれたオギー(ジェイコブ・トレンブレイ)は「見た目」以外は普通の男の子。ずっと家で学習していたオギーだったが、両親の決断で10歳を機に初めて学校へ行く。「見た目」を気にかける生徒たちの視線のなかで通学を続けるオギーの行動は、周囲の人々に変化をもたらしていく。


素晴らしい〜

「かわいそうな子」への同情じゃない。周りの人々すべてがストーリーをもっている。みんなが主人公だから、重くなく暖かな気持ちになれる。

日常のなかに飛び込んできた「異」。他人と同じに、他人より優位に…という価値観のなかにいた子どもたちは「異」と直面する。


「知りたいならよく見ること」…見られることが嫌なオギー、見ないように目をそらすクラスメイト。それぞれのなかで何かが変わっていく。

とくに濃くオギーと交わるジャック(ノア・ジュプ)の描写が秀逸。誰にでもある建前。建前を捨てるには勇気が必要。大人が観てても心に刺さる。

黒人少女のサマー(ミリー・デイビス)、フェミニストのシャーロット(エル・マッキノン)、素直になれないジュリアン(ブライス・ガイザー)…各々の心情もしみてくる。


姉ヴィア(イザベラ・ヴィドヴィッチ)の物語も柱のひとつ。弟が大好きだけどママの愛情もほしい。思春期だから恋や友情もモヤモヤ。祖母(ソニア・ブラガ)との交流にもグッとくる。

父(オーウェン・ウィルソン)の男親らしさは女性が見ても嫌味がない…たぶん。そして母(ジュリア・ロバーツ)の大きな愛。もう一人の主役といっていい。

オギー役ジェイコブくんはご存知「ルーム」の男の子。特殊メイクで素顔はなしだがその実力は明白。


子どもの話、にはなっている。が、大人が観ても身につまされる。

「彼は見た目を変えることはできない。我々が変わらないといけない」…そんなの当たり前。だけど、それができているか。「もちろん」と自信を持ってはなかなか言えないね。「見た目なんて慣れる」のにね。

サマーキャンプ、泣けたな。



hiroでした。



脚本9 映像7 音響7 配役9 音楽8
40/50
Instagramに本作鑑賞直後アップしたコメント画像(コチラ)にオギーのクラスメイト役で出演のエル・マッキノンちゃんご本人から「いいね」をいただきました。押しまくってるなかのひとつだとは思いますが嬉しいですね。今後、応援しますとも(笑)