101本目(12月18日鑑賞)FP⑤


太鳳の本気が響く
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8年越しの花嫁 -奇跡の実話-
 
監督:瀬々敬久/脚本:岡田惠和/音楽:村松崇継/原作:中原尚志・麻衣
出演:佐藤健/土屋太鳳/薬師丸ひろ子/杉本哲太/北村一輝/浜野謙太/中村ゆり/堀部圭亮/古舘寛治
 
自動車整備工の尚志(佐藤健)は趣味も仕事も車の修理という仕事バカ。強引に誘われた飲み会で出会った麻衣(土屋太鳳)と気が合い、付き合うようになる。結婚することも決まり、順風満帆な二人だったが、ある日麻衣が突然パニック症状に襲われる。
 
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今年一番泣きました。
 
たとえ実話でも、お涙頂戴とわかると引いて見ちゃいがち。ところが本作、わかっていたのに泣いた泣いた。まずは麻衣が発症した抗NMDA受容体脳炎について。長くなるけど重要なので映画公式サイトから以下引用。
 
「脳内で興奮刺激を伝える「NMDA受容体」が、卵巣奇形腫などによる免疫反応でできた抗体からの攻撃を受けて機能低下し発症する。頭痛など風邪に似た症状で始まり、数日で幻覚や幻聴などの精神症状が現れる。さらに痙攣発作や意識障害を伴い、昏睡状態に陥ることも。意志と無関係に体が奇妙に動く症状も特徴的。映画「エクソシスト」の少女はこの病気の患者だったとされる。日本国内の年間発症率は300万人に1人程度」
 
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ベースの実話が壮絶。ひたすら信じて待つ。ただそれだけ。それだけなのだが8年間だ。健くん演じた尚志の迷いのない強さ。もちろんこの尚志さんが実在するのだから、日常のあれこれに腐っている自分が小さく感じられて仕方ない。
 
太鳳ちゃん演じる麻衣さんもまた実在。彼女の目覚めは誰もが認める奇跡。しかし、そこからのリハビリ、改善は紛れもない麻衣さんの強さ。「奇跡の実話」と銘打ってはいる。しかし、この実話は、目覚めというひとつの奇跡に起因した、二人の強さの物語。
 
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圧巻は太鳳ちゃん。闘病モノの女優は儚げながらも、きれいに見えたりする。女優だから仕方ない…は我らが太鳳には通用しない。メイクから症状から徹底的にリアルを追求。手抜きを知らない、いつも一生懸命な太鳳ちゃんにスタンディングオベーション。
 
耐えて待つ。内気で静かだけど、芯に強さを持つ男を演じるのに健くんはベストな存在。ある決断をした後、麻衣がいた車の助手席を見つめる尚志に泣けた。薬師丸ひろ子杉本哲太北村一輝浜野謙太中村ゆりと出てくるキャラが皆いい人で安心。
 
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動画や携帯などアイテムの使い方が絶妙。監督瀬々敬久・脚本岡田惠和という二人の優しさ職人も頼もしい。一切の嫌味もなく素直に泣けたのはそのせいか。加えて太鳳ちゃんが本気。この本気が人の心を衝き動かす。
 
「どうせ泣かせようとするんでしょ」…とスルーするにはもったいない。「どうせ」と思いながら、今年一番泣いたのはhiro。タイトルのとおりハッピーエンド。おすすめです。
 
 

hiroでした。
 
 
 
脚本8 映像7 音響7 配役9 音楽7
38/50