WOWOW鑑賞
胸を張れ!
監督:村上正典/原作:中野独人/脚本:金子ありさ/音楽:服部隆之
出演:山田孝之/中谷美紀/佐々木蔵之介/木村多江/国仲涼子/岡田義徳/三宅弘城/坂本真/大杉漣/西田尚美/瑛太
電車内で理想の美女エルメス(中谷美紀)を酔っ払い(大杉漣)から救った電車男(山田孝之)。エルメスからお礼が届いたことをチャットに書き込むと会社員のひさし(佐々木蔵之介)、看護師のりか(国仲涼子)、主婦のみちこ(木村多江)、オタクのたむら(三宅弘城)、むとう(坂本真)、よしが(岡田義徳)、引きこもりのひろふみ(瑛太)らチャットユーザーがアドバイスを始める。
山田孝之のチカラ!
いわゆる「2ちゃん」もの。チャット掲示板が話題となって小説化。それを映画化(さらに連ドラ化)。アキバ系オタクの青年が恋をして、チャット仲間の後押しで成就する話。
公開当時は「都合良すぎ!」とスルー。初見はだいぶ経ってから。ところが、観てみたらこれが面白い。編集のうまさに加えて、変幻自在・山田孝之の魅力満載。
髪型からファッション、山田くんのハマり具合が強靭。ロン毛を切るビフォーアフターの別人感は凄い。
さらに物語を盛り上げたのがネットを通して知り合った顔も知らない仲間たち。うまかったのは彼ら一人ひとりにもストーリーを乗せたこと。
引きこもり役瑛太のエピソードにホロリ。涼子ちゃんと山田くんは「ちゅらさん」の姉弟だった。ネットカフェトリオには大爆笑。
当時は、顔も知らない人と友達なんて考えられなかったけど、今じゃねえ(笑)
リアルな人間関係では言えないこと、言っても伝わらないことがある。リアルな関係が希薄で上辺だけのものになっている。だからこそ、人々の目はSNSに向く。
SNSならホントの自分、なりたい自分になれる。
が、髪を切り、高そうな服を着て、お洒落なレストランで食事をして…それがなりたい自分? なぜ、オタクを捨てて変わる必要があるの? 本作のオチも実はそこ。
オタクを否定することはない。俺はオタクだと胸を張って言えない弱さが問題。自分らしさが一番大事。THIS IS MEだ!
hiroだって映画オタクの端くれだし。
hiroでした。