84本目(10月31日鑑賞)
極限の緊張感
ゲット・アウト
監督・脚本:ジョーダン・ピール/音楽:マイケル・エイプルズ
出演:ダニエル・カルーヤ/アリソン・ウィリアムズ/キャサリン・キーナー/ブラッドリー・ウィットフォード/ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ/スティーヴン・ルート/リルレル・ハウリー/ベッティ・ガブリエル/マーカス・ヘンダーソン/レイキース・スタンフィールド
写真家の黒人青年クリス(ダニエル・カルーヤ)はガールフレンドのローズ(アリソン・ウィリアムズ)の実家に招かれる。白人と黒人のペアであることを気にかけるクリスを暖かく迎えてくれたローズの家族だったが、黒人の使用人たちの態度に違和感を覚える。翌日彼らの友人が集まるパーティーが催され、黒人を見つけて写真を撮ると、彼は豹変してクリスに向かって「ゲット・アウト!」と怒鳴りつける。
なんだこりゃ!
開映そうそう黒人が襲われる。被差別側の人々はこんな恐怖を常に抱いているのか。冒頭から差別に対する嫌悪感が増幅する。このイントロダクションで「この物語は黒人がなにかをされる」のだと刷り込まれ、主人公クリスの登場となる。
そういう風に見てるから、いくら優しくされようと何もかもが怪しく見える。両親や兄だけじゃない。「お友達たち」もそうだしローズや友人のロッド(リルレル・ハウリー)さえもね。有名な俳優がいないのもそれを後押し。何を企んでいるのか。誰が敵で誰が味方か。そもそも敵などいるのか。
すべてが疑わしい包囲された状況。その恐怖と緊張感は極限に近い。もーいいから早く帰ろーよ、何度そう呟いたことか。
でもって真相が明かされ、クリスにピンチが訪れるんだけど…言えるのはここまで。ネタバレなしで。このイヤーな感じ、ぜひ体験していただきたい。でないと本作を観た意味がないから。
というのは…。100分ちょいの本作。真相露見まで3分の2くらい。ここまで大傑作。ここまでは、ね。この真相というのが、そー来たかぁ、という。アリだとは思うが、目指す到達点が高すぎたか。なので、本作は序盤がすべてという。
真相をもっと引っ張れればよかったが、こういう構成にならざるを得ないのはわかる。できることといえば時間軸をいじることくらいか。この手のスリラー作品の難しさ。
とはいえ、序盤から中盤の緊張感は本物。マヂ怖い。「パラノーマル・アクティビティ」の仕掛け人が噛んでいるというのも納得。ちなみに「パラノーマル…」シリーズは未見。
「がっかり」ではなく「惜っしい!」という感じ。ホームランだと思ったのがフェンスにあたって2ベース、という感じ。まだ得点圏に走者はいるので次に期待できる。こういう勢いのある作品は好き。
最後に現れる救世主に拍手喝采。そういうのも大好き。
hiroでした。
脚本8 映像7 音響8 配役7 音楽8
38/50