66本目(9月5日鑑賞)
オンナは強い、オトコだって強い
監督:ヨン・サンホ/脚本:パク・ジュスク/音楽:チャン・ヨング
出演:コン・ユ/キム・スアン/チョン・ユミ/マ・ドンソク/チェ・ウシク/アン・ソヒ/キム・ウィソン
ファンド・トレーダーのソグ(コン・ユ)は別居中の妻の元に一人娘のスアン(キム・スアン)を連れていくため、ソウル発プサン行きの高速鉄道KTXに乗車する。同じ頃ソウルの街では大規模なデモが勃発していた。
なんか街が騒がしいな〜(ソワソワ)
ん? 誰か今乗らなかった?(ゾワゾワ)
あれ? 今窓の外に!(ゾクゾク)
落ち着かない気持ちのままKTXはソウル駅を出発する。そして事は起きる。あっという間に拡散する。その早さとKTXの速さがリンクする。電車は走るよどこまでも。そう、停車駅までの密室。逃げ場などどこにもない。
謎の感染症。そう、ゾンビだ。パンデミックだ。
生存者車両とゾンビ車両。バラバラになる生存者。それぞれの家族や愛する人を救うためにゾンビ車両を突破。電車というハコの使い方が絶妙。
ゾンビ映画だが描かれているのは人間だ。その醜さだ。一人いるゲス野郎は最初からゲスだからまあいい。怖いのはその他大勢がゲスになっていく様。あるシーンの「出てけ!」の怒号。こいつらゾンビより怖い。
主演コン・ユの大沢たかお似問題に同意します、キタコさん。自分のことしか考えない利己主義パパが人のふり見て我がふり直す。
ヤンチャな夫マ・ドンソクはみんな大好き。その妻チョン・ユミ。子を持つオンナは強いのだ。野球ボーイチェ・ウシクとチアリーダーアン・ソヒのカップルは終始清らか。
キム・ウィソンもホントにゲスくて嫌な奴でうまい。だが、全員寄ってたかっても感情豊かな子役キム・スアンの存在感は絶対的。天才か。あんなに悲しい「アロハ・オエ」を聞いたことがない。
観賞後、帰宅電車で考えた。もしここで…。見知らぬ人ばかり。誰がいい人か悪い人かもわからない。助ける優先順位もわからない。「自分のことばかり」になるのは自分かもしれない。感染するのはウイルスばかりではない。人の心の闇もまた感染する。
残念男子と強い女子。そういう構図かと思った。ところが男子チームが終盤猛烈な追い込み。結果、こいつらの愛に涙を持っていかれた。
ゾンビ映画の上映シアターに聞こえるんだ、すすり泣きの声が。
hiroでした。
脚本9 映像8 音響8 配役8 音楽8
41/50