59本目(7月31日鑑賞)

君になりたい、という絆
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君の膵臓をたべたい

監督:月川翔/脚本:吉田智子/原作:住野よる
出演:浜辺美波/北村匠海/大友花恋/矢本悠馬/桜田通/森下大地/上地雄輔/北川景子/小栗旬

【僕】(北村匠海)は人との関わりが苦手な地味な高校生。盲腸の手術で入院していた病院のロビーで「共病文庫」と手書きされた日記を拾う。膵臓の病気でもうすぐ死ぬことが記された日記の持ち主はクラスメイトの桜良(浜辺美波)だった。明るくてクラスの人気者の桜良の人には言えない秘密を知ってしまった【僕】の日常は、その日から変わっていった。

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身近な「死」と接した時、人はどうなるか。半世紀も生きているおかげで体験として知っている。では、死にゆく者の気持ちはどうなのか。なんとなくはわかっても、それは想像にすぎない。

間も無く訪れる「死」と共存する少女。秘密にふれてしまった少年は、翻弄されながら少女の真意を探る。それは少女の核心に迫ることであり、初めて経験する人との関わりにほかならない。

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【僕】主観で描かれる物語。「どうして僕なんか」…人との関わりを避けてきた少年にはわかる術もない。桜良に対する想いが、流されながら、静かに、でも確実に変化していることに気づいていく。

桜良が何を思って行動したのか。その時どんな想いだったのか、が本作のツボ。その答えが共病文庫。桜良が綴った日記に涙した。

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美波ちゃん、匠海くん…だけじゃない。クラスメイト役の皆がいい。スターもいないし、アウトローもいない。ごく普通で、でもピュアで、それゆえの棘も持ち合わせる、この歳にしかできない好演。

12年後の【僕】を演じた小栗旬も、見たことのない静けさで「君の膵臓をたべたい」プロジェクトを強力サポート。

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「セカチュウ」を連想した(笑)。突然の別れも、衝撃より「あ。そっち?」的でやや拍子抜け。キレイにまとめすぎた感もある。そんな粗さを認識してなお、桜良の存在感に圧倒され、引き込まれ、瞬間、高校生に戻った感覚に陥る。

君になりたい。お互いのことを尊敬しあえる関係。異性にしても同性にしても、そういう絆は強い。



hiroでした。



脚本8 映像7 音響7 配役9 音楽7
38/50