58本目(7月24日鑑賞)

 
言葉にしないと伝わらない
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心が叫びたがってるんだ。
 
監督:熊澤尚人/脚本:まなべゆきこ/原作:超平和バスターズ
出演:芳根京子/中島健人/石井杏奈/寛一郎/西山潤/福山康平/荒川良々/大塚寧々
 
小さい頃のトラウマで声を失った成瀬順(芳根京子)は高校でも浮いた存在。担任教師の城嶋(荒川良々)が地域ふれあい交流会の実行委員に選んだことで、今まで親交のなかった坂上拓実(中島健人)、仁藤菜月(石井杏奈)、田崎大樹(寛一郎)と共にミュージカルづくりの時間を過ごすことになる。
 
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アニメ公開時、迷ってるうちに終了。以来元ネタ未見。この春、芝桜を見に秩父に行った際、アニメの舞台が秩父であること、実写版もここをロケ地としていることを知った。聖地に行ったというだけで観る気満々(笑)。
 
武甲山!…どこの画にも掘削された山肌あらわな武骨な山が背景に入り込む。それが秩父の風景。横瀬駅の山小屋風の佇まいにも惚れる。秩父、また行こう。
 
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言葉にできないけど伝えたい、たくさんの想い。話さない少女が主人公。だが、ふつうに話してる登場人物も皆、本当に言いたいことは口を噤む。話してないのと変わらない。
 
今の高校生はそうなのか。…いや、我々大人も言いたいことを言ってるか。会社で、保護者会で、地域の集まりで。そんな大人を見ている子どもたち。本心は心の内に留めておくもの、となる。そのうち、本心が何なのかさえわからなくなる。
 
しかし、あんなこというか、実の父親が。
 
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京子ちゃん、20歳なので本来なら違和感がない。朝ドラの白髪混じりの企業家イメージが邪魔してるなあ。話さない子だからセリフは少ない。これは難役。大健闘。中島くんはシャイな感じのほうがいい。
 
ソロモンの杏奈ちゃんはすっかり映画人なので嬉しい。寛一郎も頭数ではなく、とても重要。ご存知佐藤浩市のご子息。そういえば京子ちゃんは「64」で浩市さんの娘だったね。
 
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言葉は人を傷つける。一度言ったら取り戻せない。怖いから話すのをやめた順。本心を言葉にするのをやめた拓実、田崎、仁藤。誰も傷つけたくない、という思いは同じ。
 
拓実は言う。「言葉にしないと伝わらないよな」…そんな当たり前のことにハッと気付かされる。「傷ついてもいいから、言いたいことを全部聞きたいんだ」…傷つける勇気と傷つけられる勇気。それを持てる相手だから、叫びたがってるんだ、心が。
 
熊澤尚人の青春モノはテッパンだな。
 
 
 
hiroでした。
アニメも観てみます。
 
 
 
脚本8 映像8 音響7 配役8 音楽7
38/50