WOWOW鑑賞 とっとこトニスコ祭①
大切なのは、愛だろ、愛!
監督:トニー・スコット/脚本:クエンティン・タランティーノ/音楽:ハンス・ジマー
出演:クリスチャン・スレイター/パトリシア・アークエット/ゲイリー・オールドマン/デニス・ホッパー/クリストファー・ウォーケン/サミュエル・L・ジャクソン/ブラッド・ピット/マイケル・ラパポート/ジェームズ・ガンドルフィーニ/ヴァル・キルマー
職場のボスの計らいで誕生日にコールガールのアラバマ(パトリシア・アークエット)と一夜を過ごしたクラレンス(クリスチャン・スレイター)。ところが二人は瞬く間に恋に落ちて即結婚。クラレンスはアラバマの胴元のポン引き(ゲイリー・オールドマン)を殺し、彼女の荷物を奪ってくるが、カバンの中には大量の大麻が入っていた。
のっけからプレスリー論とサニー千葉。主人公はオタクだ。彼の話し相手は他人には見えないエルビス(ヴァル・キルマー)。惚れた女を困らすヤバイ男は殺す。この男のほうがよっぽどヤバイ。
そして女も飛んでる。一晩でゾッコン。家に転がり込んで結婚して「殺してきた」という男に「ロマンチック!」と抱きつく。
ちょっと足りないカップル。だが「愛」だけは高純度。そんな二人のバイオレンスな珍道中。どこまでも真っ直ぐな二人が突き進む。
トニスコ×タランティーノ。話の流れはタランティーノ的。トニスコがテンポよく爽やかにまとめた感じ。
ハードさはないけどタランティーノ臭しかしない。監督してたらもっとドロドロしたんだろう。それをカルト的人気のロマンスに昇華したのはトニスコの手腕に他ならない。
大物クリエイターコラボの好事例。
オールドマンはじめ、デニス・ホッパー、クリストファー・ウォーケン、サミュエル・L・ジャクソン、ブラッド・ピット…曲者たちがちょっとずつという贅沢。これもコラボの人脈力。個人的にはジェームズ・ガンドルフィーニの安定の殺し屋役もツボ。
そして何よりスレイターが好きである。悪ガキそうな顔の作りが活かされているので嬉しい。社会性は欠如していてもアラバマへの想いだけはホンモノ。スレイターのキャスティングがベスト。
破天荒。だいそれた夢も持ってはいない。運だけで困難を乗り越える二人。教訓も感動も共感もない。なのにこの作品が愛されてやまないのは、このストーリーに「愛しかない」からだ。
hiroでした。