68本目(10月15日鑑賞)

 
女性作家と女性監督による女性のための作品
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少女
 
監督・脚本:三島有紀子/脚本:松井香奈/原作:湊かなえ
出演:本田翼/山本美月/真剣佑/佐藤玲/児嶋一哉/菅原大吉/川上麻衣子/銀粉蝶/白川和子/稲垣吾郎
 
授業中も小説を書き続ける由紀(本田翼)と元剣道日本一の敦子(山本美月)は、小さい頃からの親友。剣道推薦で高校に入学した敦子は、大会で負けて全国を逃したせいでいじめにあう。そんな折、敦子が書き上げた小説が学校で盗まれる。
 
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認めよう。湊かなえ、好きです。
 
「少女」である。思春期の曖昧さでさえ、うまく説明できない元少年。「少女」となるとミステリー。大義はなく正論も通じない…正しいことだけが正解ではない…協調と対立・表と裏・自己愛…いろんなものが混ぜこぜな時期だと。だから説明できるはずもなく、安直な言葉で説明できないのが正しい。
 
…と思う。
 
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少女の目線が痛い。世の男性に対する目線。冤罪をふっかけて強請ることに憤慨する一方で、ロリ好きオヤヂの言動に恥を感じる。哀しいかな存在するわけだし、そんな輩が。
 
女性作家小説を原作に女性監督が撮る。何やらhiroでは知り得ない答えを知ってそうで悔しい。本作を観て共感し、涙した女子もわかってそうで悔しい。それでもホロリと目が滲んだhiro。中高生が一生懸命何かと向き合う姿に弱いらしい。
 
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本田翼、甘く見てた。本作で新たな役にチャレンジ。大空を舞う可能性の翼。どんどん映画に出てほしい。ガンガン磨かれてほしい。美月ちゃんは典型的美少女。舌ったらずも本作では気にならず。
 
真剣佑稲垣吾郎も褒めたいのだけれど、ネタにかかわるので避ける。転校生・詩織がカギを握る。演じた佐藤玲がたまらなくよい。もっともっと掘り下げられれば作品に厚みができた。上映時間の問題か、残念。
 
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相関関係にちょっとした仕掛けがある。が、それほど重要ではない。青春話だと思って問題なし。特に女子は共感できると思う。共感した方にインタビューをお願いしたい。
 
湊かなえ…刺激的なシチュエーションと宣伝文句、意外な監督起用はいつものこと。きっと観ると嫌な気持ちになる…と思わせて、実はいい話、というのも毎度のこと。「人の死ぬ瞬間を見たい」という本作もそう。奇を衒わない三島監督の誠実な構成も、原作を三島らしくまとめ上げた良作。
 
不安や嫌悪感を煽る湊かなえ原作作品。好きじゃないと思いつつ、観るといつも腑に落ちる。これはもう「好きだ」と認めざるを得ない。
 
 
 
hiroでした。
 
 
脚本7 映像8 音響7 配役8 音楽7
37/50