47本目(7月16日鑑賞)

午前十時の映画祭


サリエリを衝き動かしたものは…
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アマデウス ディレクターズカット

監督:ミロス・フォアマン/原作・脚本:ピーター・シェーファー/音楽・指揮:サー・ネヴィル・マリナー
出演:F・マーリー・エイブラハム/トム・ハルス/エリザベス・ベリッジ/ジェフリー・ジョーンズ/ヴィンセント・スキャヴェリ

自殺を図って入院した宮廷作曲家のサリエリ(F・マーリー・エイブラハム)は、神父を相手に音楽家モーツァルト(トム・ハルス)を殺したのは自分だと懺悔を始める。

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この名作、恥ずかしながら初見。

たぶん、本作が公開される前と後、モーツァルト像が著しく違うのだろう。それまで知られていなかったモーツァルト像、ショッキングだった本作のモーツァルト像。今、モーツァルトを思い浮かべる大半の方がハルスの雄姿なのではないか。

さらに、サリエリの名をもスターダムに引き上げた本作。いろいろな分野への貢献度が高いのは明白。

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かく言うhiroもサリエリなる人物は無知。冒頭の狂乱で面喰らう。才能への嫉妬なのか。どうやって宿敵モーツァルトを死に至らしめたのか。グイグイと二人の物語に引き込まれていく。

ところが妙。本作で描かれるサリエリは元々善人である。モーツァルトは天才である。同じ宮廷派閥の中でサリエリの対モーツァルトの執念だけが尋常でない。

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サリエリを衝き動かしたものは単なる嫉妬だったのか。モーツァルトの音楽を最も愛していたのはサリエリだったのではないか。そんな疑問もわいてくる。

サリエリも天才。哀しいかな、作り出す才ではなく、見い出す才。サリエリ一人がモーツァルトの資質に気づき、嫉妬し、愛し、独占しようとした。モーツァルトそのものをも独占しようとして妻にさえ嫉妬した…というのは妄想が過ぎるか。

史実も通説も知らない。なので以上は本作の情報のみで推測。

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ハルスとエイブラハムの怪演。陰と陽のコントラストが際限ない妄想を五線譜の上に躍動させる。有名な曲の数々も小出し。「映画音楽」として効果的な部分だけを使うという贅沢。これだけの見応え、スクリーンで鑑賞できたのは幸運。

初見が3時間を超えるディレクターズカットだった。オリジナル版未見につきその違いなどご教示願えたら幸いです。




hiroでした。
劇場鑑賞数にはカウント。ただし、再上映のためランキング対象外。